東京メトロが、東京メトロ24時間券3枚と銀座線沿線の9つのデパートで使用できる特典クーポンが付いた「新春デパート巡り乗車券」を9000名に抽選販売する。価格は90円の切符が3枚入って270円。すでに応募はスタートしており、12月10日(日)まで受け付けている。

「新春デパート巡り乗車券」イメージ(270円)
昭和7年発売の「デパート巡り乗車券」
東京メトロ(東京地下鉄株式会社)の前身は、“営団”の呼称で呼ばれた帝都高速度交通営団だ。さらにその前身となるのが昭和2年に銀座線とともに開業した東京地下鉄道株式会社で、東京の地下鉄の歴史はここから始まった。
今回発売される「新春デパート巡り乗車券」は、昭和7年から昭和16年にかけて販売されたもの。そのスタートは日本橋駅が開通した昭和7年12月24日で、利用区間を「上野広小路~日本橋」とする「デパート巡り乗車券」として販売された。デパートがある駅で1回ずつ途中下車することができるという、当時はかなりお得な乗車券で、まだ自動改札機のなかった時代、昇降の際に駅員が切符にハサミを入れることで下車の有無を判別したという。

昭和9年に発売したデパート巡り乗車券。利用できるデパートは、松坂屋、地下鐵ストア、三越地下鐵ストア、松屋、三越、松坂屋の6店舗。(地下鉄博物館 蔵)
女性の乗客を中心におおきな反響を得た「デパート巡り乗車券」は、続いて昭和9年3月3日の銀座駅開通時にも発売される。この時、利用区間を「上野広小路~銀座」に改め、昭和16年8月31日まで販売を続けた。
新春、地下鉄でデパートへ
今回の「新春デパート巡り乗車券」は、かつてのように「1回ずつ途中下車」ではなく、「東京メトロ全線を24時間乗り放題」とパワーアップしている。

特別デザイン24時間券 イメージ(東京メトロ字紋ver.)
専用台紙には、東京メトロ、帝都高速度交通営団、東京地下鉄道株式会社の乗車券字紋をそれぞれ取り入れた特別デザインの東京メトロ24時間券と、銀座線沿線の9つのデパート(松屋浅草、上野マルイ、松坂屋上野店、日本橋高島屋、日本橋三越本店、松屋銀座、銀座三越、西武渋谷店、東京百貨店 渋谷駅・東横店)で使用できる特典クーポンが添付される。新春と銘打つとおり、2018年1月1日(月)から1月31日(水)まで利用可能だ。

昭和9年当時の上野駅前風景と上野地下鉄ストア(現 東京メトロ本社ビル/地下鉄博物館 蔵)
クーポンの対象となっている松坂屋、日本橋三越本店、松屋は、「デパート巡り乗車券」にも名前があり、昭和16年以降およそ76年を経ての参加となる。
また、「地下鐵ストア」という見慣れない店名は、かつて東京地下鉄道株式会社が運営した地下商店街だ。昭和56年に上野の地下鉄食堂がなくなってから現存する店はないが、現在の「Echika」がその精神を受け継いでいるともいえる。
今のような交通網が発達する前の、東京の黎明期の交通を支えた地下鉄。人々が賑々しくデパートに足を運んだ時代に思いを馳せながら、東京メトロに乗車してみては。
応募方法はツイッター、Web、ハガキの3通り。締め切りは12月10日(日)24時まで。応募方法やデパートごとの特典など、詳細は公式サイトを参照してほしい。
新春デパート巡り乗車券
応募期間:2017年11月20日(月)~12月10日(日)24:00まで ※ハガキ応募の場合は12月10日(日)必着
URL:https://www.event-metro.jp/depa-ticket/
〈応募方法〉
①Twitter
キャンペーンアカウント(@tokyometroevent)をフォローし、キャンペーンツイートをリツイート・
当選するまで期間中毎日応募可能。
当選した場合はリツイート後24時間以内に連絡。
※「当選通知」の送付は2017年12月15日(金)以降
②web
キャンペーンサイトから応募ページにアクセスし、必要事項を入力。
③はがき
郵便はがきに住所、氏名(ふりがな)、生年月日、年齢、性別、電話番号を記入し、下記の宛先に送付。
宛先:〒108-8799 高輪郵便局私書箱第50号「新春デパート巡り乗車券」事務局行