作家の石田衣良が1998年に発表した『池袋ウエストゲートパーク』(文藝春秋)は、トラブルシューターとして地元・池袋の諸問題を解決する果物屋の息子マコトを中心に繰り広げられる群像劇で、2000年に長瀬智也主演でドラマ化された。監督は堤幸彦、脚本は宮藤官九郎。ロケは小説に忠実に池袋駅周辺で行なわれ、タイトルの池袋西口公園も頻繁に劇中に登場した。

駅方面から見た、池袋西口公園。
また、2004年には同じく池袋を舞台にした物語『デュラララ!!』(KADOKAWA/著:成田良悟)が登場。2010年にアニメ化され、池袋西口公園も頻繁に登場した。2017年1月に放送された『YOUは何しに日本へ?』(テレビ東京)のなかで、シアトルから“聖地巡礼”に訪れたファンが、フクロウをモチーフとしたオブジェを撮影していたことも記憶に新しい。

『デュラララ!!』に登場するフクロウの像。
そんな池袋西口公園が、新たに劇場公園として生まれ変わるという。
1500人収容の劇場公園に
これは9月6日付けの区長月例記者会見で高野之夫豊島区長から発表されたもの。すでに今年5月から「池袋西口公園整備事業」として施工事業者の公募がスタートし、二次までの審査を経て、三菱地所設計ランドスケープ・プラス共同企業体に決定。今回の発表となった。

劇場公園俯瞰図(豊島区ホームページ「9月期 区長月例記者会見」より)
劇場内には仮設ステージと大型ビジョンが設置され、演劇からフルオーケストラのコンサートにまで対応する屋外型施設となる。集客数はおよそ1500人。着工は2018年秋頃で、オープンは約1年後の2019年秋を予定している。

(豊島区ホームページ「9月期 区長月例記者会見」より)

(豊島区ホームページ「9月期 区長月例記者会見」より)
隣接する東京芸術劇場から繋がる5つ目の劇場としての機能をもち、案内機能を持つカフェを併設。災害時には防災広場として活用できるという。図版を見る限り、公園中央にある噴水はなくなり、その周辺に客席が配置されるようだ。

西口公園中央部分。この付近にステージができる。