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ペーソス漂う東京感も進化 新作『MICHITONOSOGU』はタフなヒップホップアルバムに:〈TOKYO HEALTH CLUB〉インタビュー

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2017年5月17日
ペーソス漂う東京感も進化 新作『MICHITONOSOGU』はタフなヒップホップアルバムに:〈TOKYO HEALTH CLUB〉インタビュー
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文・インタビュー_高木"JET”晋一郎

東京を体現する曲、東京をテーマにする曲はたくさんあるが、TOKYO HEALTH CLUBの音楽は東京の街によく馴染む。中目黒や渋谷に限ったことではなく、台場でも、大井町でも赤羽でもいい。雑多で騒がしい街角でイヤフォン越しに聴くと、微妙に表情の違う、それぞれの風景によく合うのである。5月17日発売の新作『MICHITONOSOGU』ではその音楽性を深め、さらに新たな表情を見せてくれるTOKYO HEALTH CLUB。高木”JET”晋一郎さんによるオフィシャルインタビューを公開する。(編集部)

2016年リリースの『VIBRATION』でマンハッタン・レコードに移籍したTOKYO HEALTH CLUBが、新作となるミニ・アルバム『MICHITONOSOGU』を完成させた。これまで良くも悪くも「ユルい」や「サブカル」といった評価を受けがちだった彼らだが、そういった文系的なキャッチーさや、多面的な存在性は残しつつも、今作ではより「ヒップホップ性」を作品の中心に据え、彼らが本来目指していたアプローチを形にする。その意味では、ヒップホップの自由度や、王道的なヒップホップをより深く取り込み、推し進めることで、いわゆるヒップホップ的なマッチョさという意味ではなく、芯の強い「タフ」な作品を完成させたTHC。新たな側面を見せる今作は、まさにリスナーにとって「未知との遭遇」となるだろう。

──前作『VIBRATION』から今作『MICHITONOSOGU』までの前後では、MACKA-CHINさんの『MARIRIN CAFÉ BLUE』にも収録された「ズラカル feat. TOKYO HEALTH CLUB」への客演や、男性ラップ・アイドル:MAGiC BOYZのシングル“3.141592”をプロデュースするなど、外への広がりも強くなりましたね。

JYAJIE:繋がりが増えていったし、それが結果、色んな仕事にも広がっていって。

DULLBOY:「東京Swingin’」は『WEGO』とのコラボ企画『WE GOOD TOKYO』のテーマ・ソングとして作った曲だったし、「supermarket」は『モヤモヤさまぁ~ず2』(テレビ東京)のED曲に起用して貰ったり。

TSUBAME:その意味でも『VIBRATION』を出してから、色んな人が見てくれるようになって、活動の幅が増えたと思いますね。

──「VIBRATION」も含めて、今までのTHCの作品は評される時に、ヒップホップとの距離感ーーそれは得てして「ゆるい」と言われがちだったけどーーや、アウトサイダー的な文脈で捉えられる事が多かったですね。だけど『MICHITONOSOGU』は、非常に真っ直ぐに、「ヒップホップとして格好いい事が出来る」という事実を提示した作品になっていて

JYAJIE:そこをちゃんと狙って作ってみようかっていうのが、制作の原点にあったんですよね。

──「アウトサイダー」「ゆるい」と見られる事に対するフラストレーションはインタビューでも語られていたし、同時にそのイメージを「シティ・ポップ」的な提示として利用してる部分もあったと思います。だから、そういったイメージを抱いてる人には、今回のアルバムの構成を意外に思う人もいるだろうなって。

SIKK-O:シティ・ポップ感を前回は利用しようとしてたし、そう思われてもいいと思ってたけど、今回はそれを裏切らないといけないとも思ったんですよね。

JYAJIE:なんとなく、そういうシティ・ポップ感みたいなモノが流行りでもあるじゃないですか。

SIKK-O:それと同じことをやってもしょうがないし、「裏切らない裏切り」みたいなアプローチが今回は出来ればと思ったんですよね。

──だから、これまでのTHCの音楽から全く方向転換した訳ではないし、延長線上にはあると思いました。ただ、今までも内包してたヒップホップ性みたいな部分に、パラメーターをかなり多く振ったというか。

JYAJIE:根本的なTHCらしさは変わってなくて、進め方の違いだけだと思いますね。でもそこに向かう為に、トラックやリリックを変化させる事は意識しましたね。

SIKK-O:トラックの違いが一番大きいよね。

TSUBAME:『VIBRATION』はラップを聴かせるためのトラックを意識したし、色んな人の意見を取り入れてあの形になったんですよね。だから正直、自分個人が好きなトラックというよりは、イメージにトラックを沿わせたり、「THCに求められるトラック」を作る作業でもあったから、『VIBRATION』のトラック制作は大変で。だけど今回は自分が単純に良いと思える、好きなタイプのトラックを前面に出したんですよね。

──質感的にもクリアさよりも、ざらつきだったり、ラフな部分を感じますね。

TSUBAME:わざとサンプルも荒く切ったり、あえてノイズを残したり、弾きも入れたけど、それをエンジニアのSUIさんに汚して貰ったりして、キレイに纏めてはいないですね。そういう空気感を出したかったし、その質感にアルバムのトーンやラップを合わせて欲しくて。それは、こういうトラックで作りたい、っていう気持ちと、そういう音像とラップでも、ちゃんとリスナーに届く品質になるだろうなっていう自信が持ててたからなんですよね。

 

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