時の流れとともに、移り変わる「人」と「街」。記憶の中に残る一瞬を映し出す作家、奥山由之さんの写真展「君の住む街」が、表参道ヒルズ スペース オーで始まった。4月27日(木)から5月7日(日)までの11日間にわたり、35人の女優をポラロイドで撮影した作品を展示する。

表参道ヒルズ地下3階にあるスペース オーが会場。入口にはキービジュアルが。

原宿と青山の間に位置し、平日でも賑わいをみせる表参道ヒルズ。
35人の女優たちが住む「街」
奥山さんは1991年生まれの写真家・映像作家。2011年に写真新世紀で優秀賞を受賞し注目を集め、2015年12月には写真集『BACON ICE CREAM』を刊行、同時期に発売された『GINZA』(マガジンハウス)では、80ページにおよぶファッション特集をひとりで撮影し、話題を呼んだ。昨年、2016年には弱冠25歳で講談社出版文化賞写真賞を受賞。広告、映像分野まで幅広く活躍する注目の作家として知られている。

広々とした会場。グラフィックデザインは服部一成さん、会場構成は篠山紀信展なども手がける村山圭さんが担当している。

広瀬すず
本展で展示される作品の多くは、雑誌『EYESCREAM』(スペースシャワーネットワーク)で「君の住む街-tokyo september orange-」として、3年にわたって連載されていたものだ。2014年3月号の小松菜々さんから始まり、有村架純さん、本田翼さん、二階堂ふみさん、中条あやみさんなど、時代を現す35人の女優やモデルたちが被写体となった。展示に際し、編集者の後藤繁雄さんとG/P galleryが企画とプロデュースを担当している。

小松菜々

多部未華子

木村文乃

本田翼

早見あかり
誰しも名前を聞いたことがある女優たちが、私服のようなカジュアルな出で立ちで、どこかで見た東京の街に溶け込む。そこには、「限りなく日常に近い瞬間」が表れている。
また、ある世代にとってはノスタルジーを感じざるを得ないポラロイド作品も、インスタグラムの登場によって「正方形の写真」が身近なものになった今、10代や20代の目には新鮮なものとして映る。初期インスタグラムのアイコンがポラロイドのようなヴィンテージカメラをベースにしていたことを考えれば、そのループもまた面白い。

中条あやみ

二階堂ふみ