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2017年も変わり続ける東京の風景 浅草花やしきBeeタワー引退を振り返る(台東区)

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2016年12月31日
2017年も変わり続ける東京の風景 浅草花やしきBeeタワー引退を振り返る(台東区)
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文_編集部

年始、初詣客で賑わう台東区の浅草寺。その浅草寺からほど近くにある「浅草花やしき」もまた、新年から多くの客を迎える。大晦日には園内およそ50球のライトが点灯する「花やしきde年またぎイルミネーションでカウントダウン」をおこなったあと、元旦から休まず営業する。初詣を終え、浅草寺からひさご通り方面に目をやると、花やしきが見えた。

正確にはBeeタワーの頭が見えたのだが、もうその風景も見られなくなってしまった。Beeタワーは今年9月にその役目を終え、解体された。

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1960年、人工衛星塔として誕生

花やしきの前身は江戸時代、1853年(嘉永6)に誕生した植物園「花屋敷」だった。牡丹や菊細工が並び、客には富裕層が多かったという。大正から昭和にかけて次第に遊具が増え、動物園としても名を馳せるようになる。今の遊園地の姿になったのは戦後1949年(昭和24)からだ。

郊外に多い大型テーマパークと違い、わずか5700平方メートルの敷地にはお化け屋敷やローラーコースターなど、王道のアトラクションがひしめき合う。新しい試みも多く、前述のイルミネーションのほかにお笑いを中心とした「花やしき座」による演芸イベントも随時開催されている。

Beeタワーがなくなるという報せは、8月29日に公式サイトおよび公式Twitterアカウントで告知された。Twitterでは引退という言葉を使い、56年にわたって花やしきの顔を担った塔の最後を伝えた。

Beeタワーが誕生したのは1960年(昭和35)。当初は「人工衛星塔」という名前だった。地上45メートルという高さのアトラクションは都内に限らず全国でも珍しく、乗れば浅草を一望できた。まだ東京スカイツリーも浅草ビューホテルもない頃である。繁華街だった浅草六区には明治から大正にかけて凌雲閣という煉瓦作りの塔が存在し、そちらは52メートル。残念ながら関東大震災で倒壊してしまったが、すでに埋められてしまった瓢箪池のほとりにあり、花やしきの位置からそう遠くはない。Beeタワーには、明治の人もこの高さから浅草を眺めていたのではと思える風情があった。

引退理由について、花やしきは公式サイト上でこのように延べている。

このたび、登場以来56年間、多くのお客様に親しまれてきた「Beeタワー」の引退を決定いたしました。

昨年から点検整備のため運転を休止し、営業再開に向けて調整を続けておりましたが、狭い敷地でスペースを有効に活用するために解体することとなりました。

(花やしき公式サイトより)

取り壊しまで、多くのファンが花やしきへ足を運んだ。園内は様々な新しい取り組みが施され、人工衛星塔だった頃の園内の面影はわずかだが、浅草の街なかに佇む愉快な空気は変わらない。これまで東京の、特に下町の子どもたちの多くが、休日の花やしきを満喫してきたに違いない。

そして9月26日、Beeタワーは静かにその役目を終えた。

変わる景色を前に

花やしきには地上60メートルの高さまで上がり、一気に落下するアトラクション「スペースショット」も存在する。それもBeeタワーと同じく、浅草を一望できる高層アトラクションに違いないし、変わらない浅草の風景のひとつではあるのだが、Beeタワーの、てっぺんから六方向に広がる鉄骨はまるで花のようで、花やしきを象徴しているかのような塔だった。

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東京の景色はめまぐるしく変化して、当たり前だと思っていた風景はあっという間になくなってしまう。大型再開発だけではなく、こうした古くからの施設にも、その影は忍び寄っている。Beeタワーもそうだが、都内にある建物の多くが1964年の東京オリンピックを契機に生まれたものと考えれば、新たな東京オリンピックを前に、それらの老朽化を解消しようと思うのも無理はない。2017年、この街はどのような変化を見せるのか、その一瞬一瞬を片時も見逃せない。

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