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太宰治が住んだ「碧雲荘」取り壊し危機を回避できる可能性は

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2015年8月4日
太宰治が住んだ「碧雲荘」取り壊し危機を回避できる可能性は
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取材・文_編集部

今年1月、杉並区天沼にあるアパート「碧雲荘(へきうんそう)」が取り壊しの危機に瀕しているというニュースが報道され、話題となった。かつて作家の太宰治が暮らした高級下宿としても知られる日本家屋の保存と活用をめぐって、地元住民や研究者、ファンらが集い、杉並区との交渉を続けている。

荻窪駅から徒歩10分ほどの杉並区天沼3丁目にある碧雲荘(写真は「荻窪の歴史文化を育てる会」より)。

荻窪駅から徒歩10分ほどの杉並区天沼3丁目にある碧雲荘(写真は「荻窪の歴史文化を育てる会」より)。

碧雲荘がある敷地は荻窪税務署に隣接しており、杉並区がこの宿舎を特別養護老人ホームとして建て替えるため、今年の4月に区が所有者から土地を買収。区は建物の歴史的・文化的価値を認めながらも、家屋自体の取得や移築については数千万円におよぶ費用が掛かることから、取り壊しは避けられないとの見方を示していた。

こうした状況に対し、昨年12月に発足した「荻窪の歴史文化を育てる会」では、碧雲荘を「杉並区民の宝」として保存、活用しようと呼びかけを強化。7月には同会会長で中央大学文学部教授の岩下武彦氏が、賛同者3,780名分の署名を田中良区長へと提出した。

岩下氏は取材に対して、

「区長は誠実に対応してくれましたが、『建物自体を残すのは難しい』ということも告げられました。今後も話し合いの場は設けてくれると約束してくれましたが、まだ具体的なことは何も決まっていません。

来年の3月には現在の居住者との契約が切れますから、急がないといけない。そのためには地元の声が重要で、今後はより大々的に広報活動もしていく。9月には太宰に関するサミットを杉並公会堂にて開催予定で、そこでは著名人のお力も借りられるよう打診中です」

と、建物保存のため、活動のさらなる認知向上の必要性について強調した。

大田黒公演や角川庭園、荻外荘など、価値のある文化財が数多く点在する杉並区。昭和初期の和洋折衷の建築様式を持ち、太宰が修業時代を過ごした貴重な文化遺産を失うことは、日本文学史、また杉並区の文化史においても大きな損失となる。碧雲荘をめぐる今後の動向に注目したい。

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