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ソメイヨシノが一斉に咲く理由 皇居乾通り一般公開に見る“都の花”

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2016年3月28日
ソメイヨシノが一斉に咲く理由 皇居乾通り一般公開に見る“都の花”
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文_編集部
同一のDNAを持つクローン
ソメイヨシノ

日本には制定された国花が存在しないが、各自治体ごとにシンボルとなる花や木が存在する。東京都の花はソメイヨシノ。オオシマザクラとエドヒガンの交配によって生まれたこの品種は、自然種ではなく交配種である。

現在、発祥の地は豊島区駒込にかつて存在した植木の名産地・旧染井村とされており、植木職人がサクラの名所である奈良県吉野の名を付け「吉野桜」として販売したことが由来となっている。実際に誰がどのように交配を行ったかは明らかにされていない。

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「吉野桜」はまたたく間に人気を博し、江戸中に広まった。それが「ソメイヨシノ」という名称になったのは明治期に入った1900年(明治33)のことである。上野公園のサクラを調べていた東京帝室博物館(現・東京国立博物館)の藤野寄命が、「吉野桜」では吉野のサクラと混同するとして生産地である染井の名前を付けたとされている。

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実際、吉野地方のサクラはシロヤマザクラなどの山桜で、ソメイヨシノとはその品質が大きく異なる。山桜が野生の古来種で樹齢1000年を越えるものがあるのに対し、ソメイヨシノの寿命は短い。これはソメイヨシノがもとは1本の木から誕生した人工種であり、全て同一のDNAを有するクローンであることに起因する。

隣接して植えられたソメイヨシノは、隣り合う枝葉も自分だと認識してしまう。一般の木々の場合、他の種がいないほうへ、より光が当たるほうへと自らの枝を伸ばしていくが、それを行わない。あくまで一因であるが、こうした要素を含め早く衰えやすいと見られている。

同一のDNAにより、一定の気象下であれば一斉に咲き、一斉に枯れる。サクラの開花が春の訪れを知るのに適しているのはそのためだ。

東京を彩るサクラ

迫力ある山桜と比べ、繊細で華奢なソメイヨシノ。都内のサクラは終戦後から東京オリンピックにかけて多く植樹された木が多いため、一様に樹勢が弱ってきている。乾通り一般公開でも来年2017年の春の公開は調整期間にあて、2018年の再公開を予定している。

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徳川家康の入城時、現在の皇居正門周辺にはすでにサクラが咲き、遊覧地として庶民に親しまれていたという。現在、皇居周辺には千鳥ヶ淵に約260本、北の丸公園には約330本、靖国神社境内には約400本というサクラが溢れかえる。ソメイヨシノはクローンという性質のため、接ぎ木によってしか同種を増やすことができない。無数にあるソメイヨシノの木々はいずれも人の手によって植えられたものだ。

満開の花々を眺めながら、その由来に思いを馳せるのも、東京のサクラ見物の醍醐味なのではないだろうか。

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