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震災から5年目の再点灯 六本木ヒルズのパブリックアート「Counter Void」はなぜ消灯していたのか

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2016年3月12日
震災から5年目の再点灯 六本木ヒルズのパブリックアート「Counter Void」はなぜ消灯していたのか
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文_編集部、写真_鈴木渉
“どうして消したのか”を
蘇らせる仕掛け

震災後、電力不足のための計画節電が3月14日から実施された。福島第一原子力発電所および、その他の変電設備の被害により、関東圏への電力供給が困難として行われたもので、グループごとに4時間ほど送電をストップした。主な地域は栃木、群馬、茨城、埼玉、千葉、神奈川、静岡、そして東京で、このうち特定の市町村が対象となった。さらには対象地域外の店舗などの自主的な節電も多く見られるようになる。

「Counter Void」が消灯を決めたのは、震災から2日後の3月13日だった。しかし、その理由は節電だけではないという。作者である宮島さんは当時を振り返りこう語る。

「電力の問題も確かにあったんですが、大勢の方が亡くなったという鎮魂の意味がすごく強かったんですね。自分自身もボランティアには行ったんですが、他に自分に何かできることはないかと思って、消灯してご冥福を祈らせていただくという意味で消灯を決めました」

宮島達男さん。作者という立場から、「Relight Project」に参加する。

宮島達男さん。作者という立場から、「Relight Project」に参加する。

もともと“生と死”を表現していた「Counter Void」は、作者である宮島氏自身の手でその灯りを消すこととなる。それから5年の間、消灯を続けてきたのである。

その「Counter Void」が再点灯することになったのはなぜなのだろうか。

「再点灯することで、“どうしてこれを消したのか”そのことを蘇らせる意味があるんじゃないかと。点けることに意味があるんじゃなくて、消えたことを浮かび上がらせる、そういう仕掛けなんです」

このプロジェクトを推し進めたのはアーツカウンシル東京が主宰する「Relight Project」のメンバーだ。彼らは「Counter Void」を使って「もう一度3.11の思いを蘇らせることができないか」と模索し、宮島さんに作品を使わせてほしいと願い出た。宮島さんは作者という立場から「Relight Project」に参加している。

さらに特定非営利活動法人インビジブル、そして東京都のサポートを得ながら、2015年には「六本木アートナイト2015」の出展作品として、壁面に「311が■ている。」というメッセージを綴った。■内に自由に言葉を書き入れてもらうワークショップも実施している。

こうした活動をボランティアスタッフとともに地道に続けながら、今回の再点灯に至ったのである。点灯期間は3月11日(金)、12日(土)、13日(日)の3日間限りで今後の展開は未定だが、「Relight Project」では来年以降も継続して実施できればと考えているという。

ボランティアスタッフも多く参加する。皆で作り上げていくプロジェクトだ。

ボランティアスタッフも多く参加する。皆で作り上げていくプロジェクトだ。

5年の間に、東京の夜はすっかり明るくなった。当時のような電力不足には陥っていないものの、復興はまだ終わっていない。まだ震災後が続いているということを、我々は忘れてしまいがちだ。点灯した「Counter Void」前での「消えてたんだ!」という感嘆が、このプロジェクトの手応えを感じさせた。

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