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太宰治の暮らした「碧雲荘」 杉並区から大分県由布市へ移築が決定

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2016年2月17日
太宰治の暮らした「碧雲荘」 杉並区から大分県由布市へ移築が決定
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文_編集部

取り壊しが話題になっていた太宰治ゆかりの「碧雲荘(へきうんそう)」が、大分県由布市へ移築されることが決まった。同市で旅館「おやど 二本の葦束」を運営する橋本律子さんが約1億円ともされる移設費を全額負担。自ら持つおよそ800坪の土地に移築するという。

杉並区天沼3丁目にある太宰治が昭和初期に下宿した「碧雲荘」。今もファンが多く訪れる。

太宰治が昭和初期に下宿した「碧雲荘」(杉並区天沼3)。今もファンが多く訪れる。(「荻窪の歴史文化を育てる会」より)

同じく、保存や移築について働きかけを行っていた「荻窪の歴史文化を育てる会」は、本日2月17日(水)付けで次のように発表を行った。

結論から申しますと、当会の所期の「碧雲荘を現地に保存・活用する」ということは果たせませんでした。所有者と当方の条件が合わず、他方、建物全体を移築したいというご希望の方があり、碧雲荘は大分県由布市へ移築されることとなりました。移築先では文学館として使用されるとうかがっております。

ー碧雲荘保存についてのご報告(「荻窪の歴史文化を育てる会」より)

碧雲荘、取り壊しの経緯と
「荻窪の歴史文化を育てる会」

発端は、昨年2015年4月に特別養護老人ホームを建設するために区が土地を買い上げたことに始まる。区は土地に付帯する「碧雲荘」の文化的、歴史的価値は理解しつつも、その費用負担を鑑みて建物の取り壊しを決定した。これをめぐり、地元住人やファン、研究会などが、どうにか保存できないものかと、区および建物の所有者と交渉を始めたのである。TOwebではこうした動きを「太宰治が住んだ「碧雲荘」取り壊し危機を回避できる可能性は」(2015年8月4日)として取り上げた。

「荻窪の歴史文化を育てる会」は、中央大学文学部教授の岩下武彦氏を会長に2014年12月に発足。「碧雲荘を現地に保存・活用する」という目的のもと活動を続け、2015年7月には賛同者3780名分の署名を集めて田中良区長へと提出した。勢力的に「太宰サミット」などのイベントも行い、太宰と杉並区という地縁を伝えた。太宰治の作品をこよなく愛する又吉直樹氏もイベントに登壇したことがある。

太宰サミット第2回「太宰に会う、又吉に会う〜碧雲荘を残せるか〜」

太宰サミット第2回「太宰に会う、又吉に会う〜碧雲荘を残せるか〜」(「荻窪の歴史文化を育てる会」より)

そして移築が決定
杉並区から由布市へ

区の意向は11月段階でも変化はなかった。12月に入ると、建物の所有者から会に対して12月31日で解体工事の契約をおこなうと連絡があったという。その際、「碧雲荘基金(仮称)」が解体費の頭金相当額に達していたこともあり、会では方針を「現地全体保存」から「移築全体保存を検討」へと変更し、さらに所有者との交渉を進めた。しかし提示した条件が折り合わない。そんな折に大分県から手が挙がったのだ。

岩下氏は今回の決定について、TOwebの取材に次のように語った。

「これからの会の活動については、まだ具体的なことは決まっていません。ただ工事はこれから始まりますから、今は移設が無事に行われるよう見守りたいと思っています」

報道発表により注目を集めるため、建物の保全が再優先だと岩下氏は言う。こうした思いに支えられながら「碧雲荘」は遠く大分県へと旅立ってゆく。

移築を迎えても杉並区と太宰の関係は変わらない。縁ある土地・杉並区で、これからも太宰にまつわる史実が語り継がれていくことを願ってやまない。

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