まずはお守りを手に入れる
チャンスは冬至から節分の間
お守りを授かることができるのは、冬至から節分までの間。社務所が開いている時間であれば受け取ることができる。その時の混み具合にもよるが、冬至の混雑する時間帯でおよそ1時間半ほど並ぶようだ。

混雑時にはふたつのルートが登場する。鳥居をくぐる表参道と、くぐらない北参道。表参道はやや混み合う。

昨年のお守りは一度お返しする。
社務所に入る前に「一陽来復」の注意書きや、取り扱っているお守りの種類の表記があるので確認しておくといいだろう。「一陽来復」の他にも、財布に入れて持ち歩く「懐中御守」や、通帳などを入れておける「福財布」も人気だ。

各々のお守りの御初穂料が掲示されている。

懐中御守。財布などに入れて常に携帯できる。

福銭が縫い込まれている福財布。通帳や銀行印など、お金にまつわる道具を入れておきたい。

混雑する社務所内。列はかなり流れて進む。
こうして並んだ先に受付があり、必要なお守りを伝えて初穂料を支払う。

購入後、御守りをすぐに財布に入れる人の姿が目立った。
なお一般のショッピングとは異なるので、お守りは袋などに入れられることなく手渡しとなる。お守りが折れたりしないよう、予めバッグなどを持参したほうがいいだろう。
いざお参り!
大事なのは”落とさないこと”
金運を招く「一陽来復」は、手に入れてから1年の間、自宅に落ちないようにしっかりと貼付けておかなければならない。福を呼ぶためには色々と作法があるのだ。
1.冬至、大晦日、節分のうち、都合のいい日の深夜0時にお参りを
手に入れた「一陽来復」は、自宅でお参りをする必要がある。お参りとはすなわち、壁に貼付けることを指している。お参りができるのは、冬至、大晦日、節分のうち、いずれかの深夜0時のみ。冬至に穴八幡宮が混み合うのは、何かと用事の多い大晦日ではお参りが難しく、節分では遅すぎるためだ。

直前に慌てないよう、予め場所に目印を貼るなど、用意をしておくのがおすすめ。
2.部屋の高い位置に、来年の恵方に向けて貼る
毎年、恵方が異なるので確認して貼る必要があるが、お守りを授かる際に案内の紙が配布されるので、そこに記載されている方角を確認すれば問題ない。来年2016年の恵方は巳午(真南から少し東寄り)なので、お守りの文字がそちらを向くように貼付ける。

方位磁針アプリなどで方角を確認しておくのが吉。
お守りはご神体でもあるため、画鋲などで留めてはならない。糊や両面テープ、セロテープなどを使って貼るといい。社寺で尋ねたところ、壁に直接貼ると安定しないため、一度台紙に貼って、台紙ごと壁に留めてしまう方法をすすめられた。放生寺の「一陽来福」と一緒に貼る際は、次のように上下に配置するとよい。

少し角度を付けても大丈夫。
一度落ちてしまった「一陽来復」は、効力がなくなってしまうとされている。もし落ちてしまったら、節分までであれば再度購入して貼ることができるのでご安心を。
江戸から伝わる縁起に乗る
東京の年越し
ご利益を信じるか信じないかはその人次第だが、祭事にはその土地ごとの歴史や慣習が大きく息づいている。今こうして多くの人が列をなすように、かつての穴八幡宮にもお守りを求めて多くの人が並んだに違いない。お守りの姿や形は変わったかもしれないが、時代を越えて人々を惹き付ける風習をなぞることで、街に積み重なったかつての生活が浮き立ってくるのではないだろうか。

人で賑わう穴八幡宮の境内。

境内には屋台も。お守りをもらったあとでひと休みできる。
神社仏閣がその場所を移すことは少ない。参拝の機会が増える年始に近所の神社や寺院の由来を調べてみると、地域にまつわる新たな発見があるかもしれない。
穴八幡宮
場所:新宿区西早稲田2-1-11
領布時間:
2015年12月22日(火)5:00〜21:00
2015年12月23日(水)~12月31日(木)8:00〜19:00
2016年1月1日(金)~2月3日(水)9:00〜17:00
問い合わせ:03-3203-7212