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36作品に見る戦後東京 ラピュタ阿佐ヶ谷が『東京映画地図』を企画するまで

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2015年12月17日
36作品に見る戦後東京 ラピュタ阿佐ヶ谷が『東京映画地図』を企画するまで
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取材・文_飯田ネオ

映画のスクリーンに映し出されるものは、恋愛やサスペンス、政治などの人間模様だけではない。どんな服を着て、どんな場所へ行って、どんな音楽を聴いていたのか。そうしたストーリーの後ろに流れる時代の空気が、主軸となる物語とは別のところに静かに潜んでいる。

この年末年始、阿佐ヶ谷にある映画館「ラピュタ阿佐ヶ谷」では、特集上映「東京映画地図」を行う。主に戦後の東京を舞台にした作品を中心に36作品を週替わりで上映し、期間は2015年12月20日(日)から来年2月20日までというロングラン企画となっている。

『東京映画地図』2015年12月20日(日)〜2016年2月20日(土)

『東京映画地図』2015年12月20日(日)〜2016年2月20日(土)

本企画は、雑誌『キネマ旬報』(キネマ旬報社)で連載中の宮崎祐治さんのコラム『東京映画地図』をもとにしたものだ。宮崎さんが東京の街を歩きながらその地にゆかりのある映画を解説していく人気エッセイで、上映作品のうち34作品は本連載からセレクトしたものだという。

上映作品には、勝鬨橋の開閉する様子が映っている『東京の恋人』(1952年)や、浅草六区や花やしきを舞台にした『ひとりぼっちの二人だが』(1962年)のほか、錦糸町駅前が登場する『喜劇 駅前女将』(1964年)、出会いの場所が四谷駅だという『ガラスの中の少女』(1960年)など、かつての東京の光景がありありと見える、貴重な映画作品ばかりだ。

『東京の恋人』(c)TOHO CO.,LTD.

『東京の恋人』(c)TOHO CO.,LTD.

『ひとりぼっちの二人だが』(c)日活

『ひとりぼっちの二人だが』(c)日活

TOweb編集部ではラピュタ阿佐ヶ谷を訪ね、本特集を企画した支配人の石井紫さんにお話を伺った。

特集上映『東京映画地図』が
できるまで

ラピュタ阿佐ヶ谷には、企画や構成を行う支配人が石井さんを含めて2名おり、それぞれが企画を立て、映画のセレクトからチラシのディレクションまでを担当するのだという。今回の企画は、石井さんの熱い想いから生まれたものだった。

ライトが煌びやかな夜のラピュタ阿佐ヶ谷。

ライトが煌びやかな夜のラピュタ阿佐ヶ谷。

「ずっと宮崎さんの連載コラムを楽しみに読んでいて、いつか一緒にこういう企画がやれたらと思っていたんです。それで、連載も50作を超えてかなりの数がありますし、一度これまでのコラムをまとめてもいいのではないかなと。ご紹介されている作品を眺めてみると、年末年始の特集上映にふさわしい作品が集められそうだったので、宮崎さんにご連絡をしたんです」

以前、宮崎さんが取材でラピュタ阿佐ヶ谷を訪れたことを思い出し、直接コンタクトを取った。「お正月特集としていかがでしょうか」と連絡をしてみたところ、快諾してもらえたという。

「イラストも描き下ろしていただきたいなと思っていたので、お願いしてみました。そうしたら何点か描いてくださって」

『東京映画地図』のチラシにあしらわれたイラストのうち、カラーが描き下ろし。

『東京映画地図』のチラシにあしらわれたイラストのうち、カラーが描き下ろし。

チラシに使用している東京タワーや銀座時計台、お化け煙突などのカラーイラストは、宮崎さんの描き下ろしだ。そのほかは全て連載コラムから転載したもので、こちらは映画にちなんでモノクロで描かれている。

「すでに連載の中でかなりの数の映画をご紹介されていたので、そこをベースに構成を組み立てました。私のほうで追加したのは2作品です」

石井さんが追加した作品は『吹けよ春風』(1953年)と『警視庁物語 行方不明』(1964年)。他のラインナップに見事に馴染んでいる。

また、映画上映にあわせて『キネマ旬報』に連載された「東京映画地図」のスクラップブックを資料として用意するという。

これまでの連載のコピーを綴じた「東京映画地図」ファイル。上映開始日から館内で閲覧できる。

これまでの連載のコピーを綴じた「東京映画地図」ファイル。上映開始日から館内で閲覧できる。

「三軒茶屋」の回。地図とイラストで詳しく解説されている。

「三軒茶屋」の回。地図とイラストで詳しく解説されている。

宮崎さんが連載の中でどんな視点からその作品を見つけ出したのか、予習や復習としてチェックしてみるのも面白いだろう。

 

次のページ:古き良き作品を伝える ラピュタの空間づくり

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