下北沢駅南口近くの商業施設「Recipe SHIMOKITA」(レシピシモキタ)にモニュメント「こいぬの木」が誕生した。俳優、作家としても活躍するイラストレーター、リリー・フランキー氏がデザインを担当し、下北沢駅南口至近の新たな待ち合わせ場所として設置されたものだ。

モニュメント「こいぬの木」。カラフルな立体造形が目を引く。

台座部分は腰掛けられるようになっている。

「こいぬの木」と書かれた台座部分。
下北沢にゆかりのある人々にとっては、かつてのテナントであった「ダイエー」や「グルメシティ」の印象もまだ色濃い場所だが、2011年からはレシピシモキタが開業し、衣料品販売の「ユニクロ」や生鮮食品を扱う「foodium」などが入店。多くの来客で賑わっている。
今回のモニュメント設置は、1日20万人以上が乗降する下北沢駅に、特定の待ち合わせスポットがないことに注目して企画されたもの。レシピシモキタは下北沢駅西口から徒歩30秒という立地を活かし、新たな待ち合わせスポットとして活用されることを期待しているという。

リリー氏のデザイン案を立体化したもの。たくさんの「こいぬ」が顔を覗かせている。
デザインを担当したリリー・フランキー氏は、若い頃に下北沢で過ごしたことがあり、インタビュー集『下北沢ものがたり』(シンコーミュージック)にも登場したり、再開発見直しを訴える「Save the 下北沢」のポスターイラストを描くなど、下北沢に縁の深い人物として知られている。モニュメントの雲のイラスト部分は、制作現場に出向いたリリー氏の手で直接描かれたものだという。

土台部分にはサインも。
レシピシモキタでは「会いにきたくなる場所」としてイメージを展開。”シモキタ”を夢見て訪れる若者や、この街に暮らす人々、様々な人たちが訪れ、夢を叶えるために旅立って行く下北沢という街で、いろんな想いを持った人たちが集まれるようにという願いを込めたのが、この「こいぬの木」なのだ。

リリー氏によるイラスト(© VANCRAFT Co.,Ltd.)

コンセプトでもある「会いにきたくなる場所」(© VANCRAFT Co.,Ltd.)
下北沢駅付近は道も狭く、改札前は人でごった返している。人と会う際の目印として、駅を出て徒歩30秒という距離にあるこのモニュメントを利用しない手はないだろう。次のシモキタ待ち合わせは、この「こいぬの木」の下で。