ゲリラ豪雨や台風などの影響により、東京都心部が第一に想定すべき被害が「水害」である。本件については先日「暗渠から蘇る渋谷川 2017年のオアシス化を目指して」の中で渋谷駅地下の貯水タンクについてお伝えしたが、家庭で備えるべき対策にはどういったものがあるのだろうか。
使わない手はない
街の「土のうステーション」
水害から自宅を守るうえで大きな一助となるのが、「土のう」である。土のうとは布袋に土砂を入れて使用する水除けのアイテムで、ひとつあたりの重さは5キロや10キロのものなど様々。この重さと、袋と袋の密着性によって水の侵入を防ぐのだ。

一般的な土のう。袋に土砂を入れ、口を縛って使用する。
土木工事などにも使用されるが、防災面では庭や駐車場など、水の侵入が予測されるところに設置しておく。かつて江戸時代には、藁で作られた叺(かます。むしろを2枚あわせて作られた袋)を使用して土のうとして活用されており、その歴史は古い。
23区ではすべての自治体で土のうの配布や貸し出しを行っている。そのうち、以下の区では「土のうステーション(土のう置き場)」を設置しており、区民が自由に土のうを使用することが可能となっている。

都内各地の土のうステーション(各自治体HPより)
■土のうステーションが設定されている区
※リンクをクリックすると自治体ごとの設置場所ページへジャンプします。
板橋区
江戸川区
大田区
世田谷区
中野区
文京区
港区
目黒区
ステーションを開けると土のうが格納されている。自治体ごとにカバーの色などが違うが、基本的には同じような造りだ。

カバーを開けて土のうを取り出す。(世田谷区HPより)
できた土のうは即設置
「洪水ハザードマップ」も要チェック
設置はさほど難しくない。板橋区では設置方法を以下のように動画でわかりやすく紹介している。
そのほかの区については、事前に窓口への連絡が必要となる。台風が直撃している最中の対応はさすがに難しいので、予め余裕のあるときに設置しておくのが良いだろう。
また、東京都では「洪水ハザードマップ」の公開も行っている。河川が近くになくても、水捌けが悪く浸水する恐れもある。予め自分の住んでいる場所について知り、攻めの対策を講じたい。