墨田区京島でアートブックマーケット「Sumida Art Book Market」が開催されている(11月26日まで)。30組以上のアーティストを集め、それぞれが制作したZINEなどを展示、販売する。おそらく京島エリアでこれだけのアーティストが参加するブックマーケットは初ではないだろうか。主催するのは京島の地を拠点にアート活動を行うspiidだ。

会場となるオルタナティブスペースspiid。
最寄り駅は東武線または京成線の曳舟駅。東京スカイツリーの登場でマンションや大型スーパーが整備された側面もあるが、路地に入ればまだまだ平屋建ての家屋が多く残る。洗濯物を干すための杭がそのまま軒先に残っているのもこの地域ならではの光景だろう。入り組んだ道を進むと、会場のspiidが姿を現す。
約30組のアーティスト作品を収集
会場は、築80年の長屋を自分たちで改装して作ったという木造の一軒家。かつては隣の駐車場部分にも家屋が続いており、三軒長屋だった。引き戸を開け会場に入ると、ZINEがあちこちに並べられている。

天井を抜いてあるため、かなり広く感じる。

会場内から入り口を眺める。

手製のボードにZINEが並べられている。
spiidを主宰する青木彬さんに話を聞いた。
「2016年にオープンして、基本的に作家の展示を行うことが多かったんです。でも、そういえば自分たち発信の展示をしたことがなかったなと。それで今回、spiidで『Sumida Art Book Market』を企画しました」

在廊している青木さん。竹の塚出身。
作家の中には、10月に開催された「TOKYO ART BOOK FAIR」に出展した作家も多いという。その時に買い逃したZINEがあれば、この会場で手に入るかもしれない。
〈出品アーティスト〉
山崎由紀子、石山さやか、しげのみゆき、船戸厚志、竹浪音羽、竹下昇平、鳴海テヨナ、 伴治朗、谷端実、オカタオカ、篠崎理一郎、南田真吾、川勝小遥、顔面占いニッパシ館、 日橋慶充、布施琳太郎、吉田博嗣、金藤みなみ、佐藤史治+原口寛子、藤林悠、アシタノ書店(首都大学東京楠見清研究室)、SIDE CORE、VS Collective、奥村雪彦、 KEIYURI、西田篤史、谷このみ、林香苗武、北沢美樹、skydiving magazine、 spiid ほか

イラストレーター、オカタオカさんのZINEはまさかの写真集。

渋谷のシェアハウス「渋家」制作のZINE。

青木さんおすすめという、『谷このみのジーパン』。

「顔面占いニッパシ館」の日橋慶充さんによる、『ニッパシのスケッチブック風 マル秘人間採集集』。

Three Delta Trianglesの作品集『第三世界』。墨田区の空き家で個展をした時のもの。

飯島モトハルさんのコレクターアイテムを自身でまとめた一冊。

団地を舞台にしたマンガ『サザンウィンドウ・サザンドア』の作者、石山さやかさんの作品集『MUSICA et AESTAS』。

金藤みなみさんの『天然パーマ許可証』。

KEIYURIさんの『WOMAN RIGHTS』。