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吉原で知る日本の性風俗史 “お歯黒どぶ”の縁でカストリ書房が伝えたいこと(台東区)

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吉原で知る日本の性風俗史 “お歯黒どぶ”の縁でカストリ書房が伝えたいこと(台東区)
FEATURE
東京で起こっているハイパーローカルな動向を独自取材し、特集形式でお届け。
2017年9月29日
吉原で知る日本の性風俗史 “お歯黒どぶ”の縁でカストリ書房が伝えたいこと(台東区)
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文・写真:編集部
性の情報満載の「モーレツ手帳」

書棚に気になる手帳を見つけた。この「モーレツ手帳」や「愛の手帳」などの手帳シリーズは、渡辺さんが3年ほどかけてようやく見つけたものだという。昭和40年代頃に作られた手帳で、手のひらに収まる小さなサイズながら、半裸のグラビアや性にまつわるトピックがぎっしりと詰め込まれている。

魅惑の手帳シリーズ。

カバーをとるよう書いてあり、外すと普通の手帳になってバレない。

気になるその中身。

「エロ本を作っていた出版社が作ったものなんです。本屋には流通せず、温泉街やラブホテルで販売されていました。ふざけているようで写真もしっかりしてますし、イラストも、きちんとイラストレーターに発注して描いてもらっている。情報量も多いし、中身はきちんと作られているんです」

こうした手帳の類は、アダルト書籍を作った出版社がソースの二次利用で作ったらしい。せっかく集めた素材なのだから、と「グッズ」に落とし込んだことで、結果的に誰もが気軽に手にとれるアイテムになった。ページをめくると、性がカルチャーとしてカジュアルに広まった昭和40年代の勢いを感じる。

「ただ、出版社側はこういう“柔らかい本”は残しません。事業のなかのメインストリームではないですから制作は外注が多くなるでしょうし、そうなると人の出入りも激しい。本も整理されず、残らないらしいんです」

性にまつわる本は読み捨てられる運命にある。渡辺さんが今注目しているのはコンビニ本だ。ホラーやアダルトなど、テーマもストーリーも単純明快なものが多いが、渡辺さんはきっぱりと言う。

「こうした本が、いずれ価値のあるものになるんです」。

現在進行形で街に溢れるコンビニ本。やがて希少本となりそうなポテンシャルを秘めている。

棚に並んでいる数々のアダルト雑誌も、かつてこのコンビニ本と同じように書店に並んでいた。そうした一見ライトな雑誌のなかにこそ、その時代の性風俗が刻みこまれているのだ。

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