logo_s

日本一のソープ街・吉原発のブランドが見据える5年後の吉原:〈新吉原〉デザイナー・岡野弥生インタビュー

  • twitter
  • facebook
  • instagram
  • contact
日本一のソープ街・吉原発のブランドが見据える5年後の吉原:〈新吉原〉デザイナー・岡野弥生インタビュー
FEATURE
東京で起こっているハイパーローカルな動向を独自取材し、特集形式でお届け。
2015年8月25日
日本一のソープ街・吉原発のブランドが見据える5年後の吉原:〈新吉原〉デザイナー・岡野弥生インタビュー
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
写真_松本昇大/取材・文_編集部/取材協力_デンキュー
ロゴは〈サスクワァッチファブリックス〉のデザイナー・横山氏によるもの。/新吉原団扇 1,620円

〈新吉原〉を象徴するロゴは知人にデザインしてもらったもの。/新吉原団扇 1,620円

目を引く「おっぱいロゴ」と
ユルさを残したラフなグラフィックが評判に

──〈新吉原〉といえば、やはりこの特徴的なおっぱいロゴが目を引きます。

ロゴに関しては、昔からの友人でもある〈サスクワァッチファブリックス〉の横山(大介)君に作ってもらって。和モノのデザインでカッコいいものを作るのって難しくて、ともすればありがちなものになってしまう。でも、横山君の場合は自分のブランドの洋服にも積極的に和のテイストを取り入れているし、信頼できるなと。

──ロゴのデザインについては具体的なオーダーがあったのでしょうか?

いえ、とくには。おっぱいを入れてくれなんて一言も言ってない(笑)。ただ、「入山形」と呼ばれる遊女のランク付けを表す符号のようなものがあって、そのモチーフを入れたらどうか、なんて話はしましたね。

やっぱりロゴのインパクトが強いので、横山君がデザインしたというと他のアイテムも彼がやったように見えてしまう。そういうのもあって、彼は「あまり俺の名前を出さないほうがいいんじゃない?」って言われましたけど。ロゴ以外のアイテムのデザインは、すべて自分でやってます。

──現在2年目ということですが、展開しているアイテム数はどれくらいでしょうか。

手ぬぐいがもうすぐ4種類、絵札が4、5種類あって、桶がひとつと……。もっと一気に増やしたほうがいいと思うんですけど、あまり急には難しいですね。新しいアイテムの発表もシーズンレスで、できたタイミングで、といった状況です。今はそれでいいかなと思ってます。

──1年間、ブランドを続けてきて、周囲の反応はいかがでしょうか。

浅草の鷲神社で開催される酉の市の時に、お店を出して商品を売ってみたんですよ。そうしたら、若いヤ◯ザの兄ちゃんも、「お姉さん、これいいね!」なんて言って買ってくれたりとかして。ああ、地元の方々はみんな協力的だなあと(笑)。

デンキュー」のクリスさんもそうだし、「フウライ堂」をはじめ浅草駅の地下街の方たちだったり、今は身近で応援してくれる方が増えてきているのでありがたいですね。あとは、やっぱりインスタグラムなんかでフォローしてくれる人も多くて。

バー「デンキュー」の店内に飾られた手ぬぐい。/手ぬぐい(左)1,404円、(右)1,080円

バー「デンキュー」の店内に飾られた手ぬぐい。/手ぬぐい(左)1,404円、(右)1,080円、手ぬぐい用額縁 8,640円

──地場で作って、観光客を対象にしたお土産なんかもたくさんある中で、ブランドとしてどう差別化を図っていくか、というあたりはどうお考えですか。

そうなんですよね。浅草だとベタなお土産品っていっぱいありますから。それはそれでいいと思うんですけど、そこで競合すると〈新吉原〉はまだ数も少ないしすぐに埋もれてしまう。どこに取り扱ってもらうか、ということは考えてはいますけど、やっぱり最初は不安がありましたね。

それでも、今は先述のデンキューやフウライ堂のほかに、中目黒の川沿いにある「KAPUKI」という着物屋さんや、羽田空港内のお土産屋さんでも置いてもらってます。置きたいですっていう連絡があれば、いつでも持っていきますよっていうスタンスではあるので(笑)。

──グラフィックにもいい意味でヌケがありますよね。

基本的にパソコン作業が苦手なので、すべて手作業で、型を切り貼りしてデザインしていくからだと思います。デザインのベースになるものを決めたら、その紙を切って、ずらしたりしながら形にしていくんです。その辺のユルさが出ているのかもしれません。ただ私、絵が下手で(笑)。描けないんです。だから、一から絵を描かなきゃならない場合は、友人のイラストレーターに頼んだりして、発注したりするんですよ。

──手ぬぐいの絵は自分で描かれてるんですよね?

古い資料をもとにしてますけどね。それこそ修正液とハサミを使いながら、いろいろと足したり引いたりしながら。手ぬぐいって、基本的には手ぬぐいのサイズと同じ大きさで型紙のデザインを出さないといけないんです。それだったら、もう切り貼りでやってしまおうと。ほとんど一人でやってるせいで、粗さが出ちゃってるのかもしれないけど。

──図らずも、ラフさが逆にいい味として活きている。

なんかただカッコいいだけのものって、あまり好きじゃなくて。やっぱりどこかにユーモアがあるほうが、お土産品としてもいいのかな(笑)。カッコいいものは、もうすでに世の中にいっぱいありますから。

──生産などはすべて地元の工場にお願いしているのでしょうか。

なるべく浅草の近くで探して、自分で直接足を運んで交渉してます。最初は断られるかなあと思ってたんですが、面白がって受け入れてくれる職人さんが多い。手ぬぐいは四ツ木のほうの染め屋さんにお願いしているんですが、中に春画が描いてあるせいで、外で干せないって言われて(笑)。周りがマンションに囲まれてるんで、部屋干しだよって。なんか、すいません…….って感じで。

 

次のページ:オリンピックに向けて変わりゆく吉原の街

1 2 3

関連記事

FEATURE

  • 今日も店主はオペンと叫ぶ 代田5丁目の欧風カレー:...
    2016年12月29日
  • 東京イチの危険地帯墨田区から考える東京の災害(後編...
    2016年9月1日
  • 〈フォトレポート〉第35回すみだ錦糸町河内音頭大盆...
    2016年8月30日
  • 西蒲田「第二日の出湯」がつなぐ、『ゴジラ』と『シン...
    2016年8月13日
  • 〈フォトレポート〉第39回隅田川花火大会
    2016年7月31日

RANKING

  • no.1
    蒟蒻の販売から5万点の品揃えに 下町の暮らしを支えた浅草千束通り商店街...
  • no.2
    『東京タラレバ娘』のシンボル「五輪橋」に見る 東京オリンピックの面影
  • no.3
    猫社員は今日も働く 新宿三丁目「カフェ アルル」が猫を雇う理由
  • no.4
    「FAR FROM HOME」に続く新作ペインティングを展示 シルクス...
  • no.5
    【EVENT】チャートを制したヒット曲を200インチの大型スクリーンと...
PAGE TOP