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六本木の禁秘領域で何が起こっているのか サザエBOTの中の人に聞く:「#ブラックボックス展」インタビュー

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六本木の禁秘領域で何が起こっているのか サザエBOTの中の人に聞く:「#ブラックボックス展」インタビュー
FEATURE
東京で起こっているハイパーローカルな動向を独自取材し、特集形式でお届け。
2017年6月8日
六本木の禁秘領域で何が起こっているのか サザエBOTの中の人に聞く:「#ブラックボックス展」インタビュー
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文・写真_飯田ネオ
「新しさ」が古い町、六本木

──六本木という場所性についても、何か意味があるのでしょうか。

IT企業、セレブリティ、勝者の証、2017年の六本木はまだぎりぎりそんなイメージでしょうか。光、情報、エネルギーの密集地のような……。しかし徐々に、それらに対する虚しさや古さのような雰囲気も漂い始めています。地価は高いけれど、個々の感性はどうか。ビルは高いけど、精神的次元はどうか。見る角度が変わった時のもろさを、勘の鋭い者たちはすでに見抜いているはずです。

目に見えるもののなかでも特に目立つもので覆い尽くされた六本木と、あらゆるバズワードで埋め尽くされたタイムライン。その両者に広がる光の世界に、「BLACK BOX」、すなわち目に見えぬ何かが現れ、そこに人々が吸い込まれ、秘密を膨らませていく──その現象は太極図の「陽の場」の中心に発生する「陰の点」ようで、非常にメタフォリカルかつ必然的な出来事のように感じます。

──六本木という場所自体、そもそも地場が少し不思議というか、森ビルの開発でごっそり生まれ変わった街ですよね。赤瀬川原平さんの『超芸術トマソン』(筑摩書房)の表紙は、麻布谷町(現アークヒルズ周辺)の銭湯の煙突の上で撮った写真です。かつてはああいう街が広がっていたわけで、大通りから抜け道に入ると、まだ下町のような景色が残ってもいます。

超芸術の概念も、意図的に作品を制作する作家はおらずただ鑑賞者のみがいるという図式ですから、その気付きにもアポフェニアを感じます。またこの時代の六本木にも下町の光景が残っている点については、誰かの言葉「過去は新しく、未来は懐かしい」の通り、むしろ新しさを感じさせてくれます。

──つい先ほど展示を拝見しまして、具体的には言えませんが、予想していた内容をいい意味で裏切られた感覚がありました。「サザエBOT」から連綿とつながるインターネット的な表現を期待してきた人には、全く違う答えが用意されていると思います。

インターネットは過去の産物です。サイエンスやテクノロジーに夢中な大人たちが合理性をベースに提唱する未来を、次世代はもはや退屈に感じています。ですから、その対極にある超自然的なものやスピリチュアリティ、非合理性に注目が集まっていくのはごく自然な流れです。しかしそれらは定義されていないどころか、物質ですらないわけですから、この時代の六本木にとって、或いは学問やビジネスのフィールドですべてを掌握したつもりになった情報中毒者にとって、反感を買う可能性は大いにあるでしょう。

──インターネットとリアルを結びつけようとすると、途端に「バーチャルを現実に」「現実をバーチャルに」のようなところに収まってしまうことに疑問を感じていました。それは1990年代とか2000年の頭に想像していた未来をなぞっているだけのような。今回、それとは全く違うものを見たように思います。

光は過去で闇こそ未来ですから、情報という名の光により予測された未来が語られる現在とは、いわば過去に過ぎません。真の未来はいつも、見えないところからやってくるもの。

──ああ、確かに、確かにそうですね。

時間を過去から未来へ向かう直線として捉えず、空間的な間として今に内包させること。それが文字通り、「次元を上げる」ということですからね。

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