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六本木の禁秘領域で何が起こっているのか サザエBOTの中の人に聞く:「#ブラックボックス展」インタビュー

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六本木の禁秘領域で何が起こっているのか サザエBOTの中の人に聞く:「#ブラックボックス展」インタビュー
FEATURE
東京で起こっているハイパーローカルな動向を独自取材し、特集形式でお届け。
2017年6月8日
六本木の禁秘領域で何が起こっているのか サザエBOTの中の人に聞く:「#ブラックボックス展」インタビュー
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文・写真_飯田ネオ


港区六本木のART&SCIENCE GALLERY LAB AXIOMで開催されている、「なかのひとよ(@Hitoyo_Nakano)」による個展「BLACK BOX(#ブラックボックス展)」が、動員の多さにより一度休止となった。体制を立て直し、改めて5月30日(火)から展示を再開。この機会に「ネクストレベル」へとアップデートが施され、会期も6月17日(土)まで延長になっている。

2010年にbotとして誕生した「サザエBOT(@sazae_f)」は、アニメ『サザエさん』に登場するキャラクター・フグ田サザエを下敷きに、シニカルなコメントで注目されたツイッターアカウントだ。2013年に行われた「#サザエbotを探す会」は、ツイートをもとにサザエBOTを追うもので、多数のユーザーが参加。バーチャルとリアルの境界線が曖昧になる様相は、のちの「ポケモンGO!」にも通じるものがあった。

2014年には「TEDxTokyo」でプレゼンテーションを行った。2015年にはオープン化され、つぶやき入力フォームを利用すれば誰もが匿名でつぶやける「心の声の解放ツール」になった。こうして多くのユーザーを巻き込んだサザエBOTは2016年、オーストリアのリンツで行われたメディアアートの祭典「アルス・エレクトロニカ」で準グランプリを受賞した。

多くのユーザーを巻き込み、2017年6月時点でフォロワー数20万を越えるまでに成長したサザエBOT。このBOTを運営するのが、2061年からやってきた未来人を自称する「なかのひとよ」である。

「なかのひとよ」は今回、展示内容について詳細を一切語っていない。告知に次のような記載があるのみだ。

本展覧会では、作者の意向により展示内容の情報開示は致しません。また会期中、来場者による会場内での写真撮影・動画撮影・録音等はいかなる場合も禁止とし、会期終了までの期間、作品や展示環境に関する事実をインターネット上に発信・公開する行為、第三者に公言・口外する行為を禁止させて頂きます。趣旨をご理解頂き、当日同意書に署名した方のみご入場可能となります。(公式サイトより)

なぜこのような展示開催に至ったのか。その存在もまた謎に包まれる「なかのひとよ」に、話を聞く機会を得た。

哲学的な「何か」を刺激する装置

──まず、今回の展示を行おうと思ったきっかけについて聞かせてください。

狙いやコンセプトはありません。2017年という時代に、六本木のAXIOMという場所からお誘いを受けた。私は約束通りそれに「はい」と答え、あとはいつものように参加者が作品を作り上げていった、それだけです。ですから正確には個展ではなく、グループ展と呼ぶ方が正しいのかも知れません。

──今回、展示の内容は一切明かされていません。キーとなっているのは「秘密」でしょうか。

口外禁止の理由については、「明かさない」のではなく「明かせない」ものだからとしかいいようがありません。事実は鑑賞者であり作者によって変化するため、感想という形でしかアウトプットすることができないのです。

──来場者たちはその後、ツイッターに「#ブラックボックス展」を付けて感想をポストしていますよね。(参考:謎の展覧会『#ブラックボックス展』感想まとめ

決して「感想を投稿しろ」と指示を出しているわけではありません。言わずにはいられない体験をした者たちが投稿しているのでしょう。興味深いのは、AXIOMはアート&サイエンス専門のギャラリーですが、アートというより自然、サイエンスというより哲学の極地に触れたような投稿が多い点です。

──なるほど、自分のなかの哲学的な「何か」が刺激されるのかもしれません。まず訪れた人のフィルターによって変わる「何か」がある。それについてつぶやくのもつぶやかないのも自由。そのツイートを読んだ人は、また何らかのフィルターを介して来場する。当然、期待値は人によって変わるという。

好か悪かはわかりませんが、「BLACK BOX」が何らかの循環を発生させていることは確かです。その結果、来場者数は日々指数関数的に増加しています。最近は芋洗坂のてっぺんまで行列ができたり、入場まで1時間以上待ちという状況も増えています。

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