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天才司会者・もんちゃんの妙技。蒲田のパブ「オアシス」が日本一の理由

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天才司会者・もんちゃんの妙技。蒲田のパブ「オアシス」が日本一の理由
FEATURE
東京で起こっているハイパーローカルな動向を独自取材し、特集形式でお届け。
2017年5月1日
天才司会者・もんちゃんの妙技。蒲田のパブ「オアシス」が日本一の理由
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フロアを完璧にコントロールする
もんちゃんの司会術に隠された秘密

──若いお客さんの取り込みというのは意識してますか。

もんちゃん:もちろんです。例えば、年配の人が先にお店に来ていて、その後に若い子たちがバッと流れ込んできた時点で、年配のお客さんがすぐにチェックして帰っていく光景をたくさん見てきたんです。それがもう、本当に嫌で。

そうじゃなくて、もうちょっとお互いを知ってほしいなと。年配の人がいます、若い人がいます、となると、お店としてはやはり共存させなければならない。では、どうしたらいいかというと、やっぱり若い子のほうにお願いしていく。あまり言葉にするのは好きじゃないんですけど、柔軟性なんですよね。

キャシー:そうね。大体、年配の方っていうのは柔軟性がない。「俺たちの飲み方」を通す時代ですからね。でも今の2、30代は、その雰囲気を見ながらちょこちょこっと変えていく。それができるので助かります。

もんちゃん:若い子に拍手を促して拍手させると、拍手された年配の人は「あっ、あの子たちいい子だね」って思うんですよ。そうすれば、逆にその子たちが歌っている時は年配の方が拍手をする。それは、店のルールだから拍手をお願いしますってことではなく、自然にそういう雰囲気が生まれるような場を作っていくことなんです。タイミングも重要です。

──営業中のフロアの流れは、どのように意識してコントロールしてるのでしょうか。

もんちゃん:お客さんにあまり無理をさせないことですね。いきなりバンッて圧力を掛けてるように見えるかもしれませんが、じつはちゃんと行きやすい状態を作ってあげてから、取り入れてあげるようにしてます。周りに持ち上げられて変に引けなくなちゃったり、ステージに立った人がやっぱやめとけばよかったと思ったら、それは僕たちのミスですから。

だから下準備をたくさんして、そして、こちらが攻めるという時にお客さんがグッと乗っていける流れは、ある程度仕込んでないといけません。

キャシー:一番大事なのは、いらっしゃったお客さんが笑顔で「またね」って帰ることですよね。それはスタッフ全員、同じ気持ちでやってる。やっぱりワーッと飲みに来る方もいれば、ちょっと心の病んだ、悩みを聞いてほしいっていう方もいますから。それぞれに対応できなくちゃなりません。

もんちゃん:歌わず、話を聞くだけで気が楽になる方だっていますからね。騒ぐ曲を歌ってみんなと一緒に盛り上がりたいという部分は当然あると思うんですよ。そういうのが2、3曲続いたとしたら、次に歌う人はなんて思います? 盛り下げちゃダメだって思いますよね。

お客さんに任せていたら、ずーっと盛り上がる歌ばっかりになっちゃう。それに対して、バラードを歌いたいお客さんだって当然いる。でも、そういう状況になっちゃうと歌えない。そのために自分たちがいるんですよ。

スタッフに細かく指示を出すもんちゃん。手に持ったメモ用紙にはお客さんの特徴や性格が書かれている。

スタッフに細かく指示を出すもんちゃん。手に持ったメモ用紙にはお客さんの特徴や性格が書かれている。

美声を披露するオーナーのキャシーさん。時にはスタッフがステージに上がり盛り上げることも。

美声を披露するオーナーのキャシーさん。時にはスタッフがステージに上がり盛り上げることも。

──フロアのバランスを最優先すると。

もんちゃん:絶対に同じような夜はないですから。その日によって、メンバーによって、組み合わせによって、空気が変わってくる。人と人をつなぐ、歌と歌をつなぐって部分にはすごくこだわっていて、そこが雑になっちゃうと空気がすべて壊れてしまう。やっぱりお客さんが人の歌に対して拍手しないっていことが、たまにあるんですよ。そうすると、空気がグゥーッと重くなってきちゃう。それは働いているこちらからしても苦しいんですよ。何よりもキツい。

もう絶対的にそういう空気にならないようにしないといけない。ましてや、絶対に諦められないんですよ。夜の7時から朝の5時までは、やっぱり店の秩序を守る責任があって。空気は生きてるので、その調整は常に怠らないようにしないと。何でこうなったのか、何で今いい空気なのか。その原因をちゃんと知るということが大事で。

──カラオケパブに司会がいるという状況に対して、お客さんからの反応っていうのはいかがでしょうか。

もんちゃん:もうね、何かムカつくって言われることはしょっちゅうありますよ。何でアイツは仕切ってるんだ、とかね。よく言われます。見た目や、その時の気分でいろいろと勝手に判断されてしまう。中には、もう二度と来ないという人だっている。でも、心の中ではいつか分かってくれればいい、また来てくれるって、そう大きな気持ちでいるようにはしてます。

店のスタイルを変えれば、偏りが出てしまうし、今のこの平等感を出すためには、やっぱりある程度自分たちが貫かないといけない部分というのがあって。だから今の店のペースを続けるしかないって思いますね。

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