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西蒲田「第二日の出湯」がつなぐ、『ゴジラ』と『シン・ゴジラ』の時代

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西蒲田「第二日の出湯」がつなぐ、『ゴジラ』と『シン・ゴジラ』の時代
FEATURE
東京で起こっているハイパーローカルな動向を独自取材し、特集形式でお届け。
2016年8月13日
西蒲田「第二日の出湯」がつなぐ、『ゴジラ』と『シン・ゴジラ』の時代
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写真_下屋敷和文、文_編集部

※ゴジラ湯は2016年11月8日(火)をもって終了。本記事は2016年8月13日(土)に公開されたものです。

7月29日に公開された映画『シン・ゴジラ』が快進撃を続けている。「週末観客動員数」(興行通信社)では、7月30日~7月31日、8月6日~8月7日の2週続けて1位を記録。8月13日〜8月14日の3週目は『ペット』に1位の座を渡したものの2位に留まっており、「週間映画ランキング」では『ファインディング・ドリー』を越えて1位。累計興行収入は14日時点で33億円を越えた。

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リピーターを増やす『シン・ゴジラ』

総監督を務めるのは『新世紀エヴァンゲリオン』(1995年)の庵野秀明さん。特技監督と監督には『日本沈没』(2006年)や『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』(2015年)などを監督した樋口真嗣さんが名を連ねる。両者はアニメ制作会社「ガイナックス」で『トップをねらえ!』(1988年)や『ふしぎの海のナディア』(1990年)などの制作にあたっており、庵野氏が独立して「カラー」を設立したのちには、庵野さんが脚本を、樋口さんが監督を手がけた短編映画『巨神兵東京に現わる』(2012年)を作り上げた。

ともに特撮映画に造形が深く、またアニメーションという業界で育った両者によるゴジラ映画とあって、作品の隅々には緻密な情報が張り巡らされている。特撮ファンやアニメファンのみならず、様々なジャンルのマニアを唸らせる要素が詰まっており、そのため「もう一度見て気になった箇所を確認したい」というリピーターが続出している。

こうしたなか、ロケ地のひとつとなった大田区では観光課を中心にいくつかのキャンペーンを立ち上げている。

大田区の各所に掲げられた、『大田区対ゴジラ。』のフラッグ。

大田区の各所に掲げられた、『大田区対ゴジラ。』のフラッグ。後ろには蒲田出身のマンガ家石井いさみさんの名作『750ライダー』のフラッグも。

7月21日からは区役所本庁舎3階で写真展を開催、8月から9月にかけては「おおたBLACKキャンペーン」として大田区の様々な“黒”をゴジラの“黒”と重ねたキャンペーンを行っている。

このキャンペーンの一環で、西蒲田の銭湯「大田黒湯温泉 第二日の出湯(以下「第二日の出湯」)」の浴室の壁に、大きなゴジラが描かれているという。期間限定のゴジラ壁画を眺めるため、現地を訪れてみた。

店主は浅草生まれ
ゴジラがいる「第二日の出湯」

入り口横にはおなじみのコインランドリーがあり、背後には煙突が頭を覗かせている。「第二日の出湯」は、“昔ならではの”という枕詞がよく似合う銭湯だ。扉を開けると広々とした板の間に下足箱があり、壁には『シン・ゴジラ』の真っ赤な旗がかかっていた。

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「映画を観たっていう人はすぐわかるよ。大きなリュックを背負ってくるからね。常連さんはだいたい手ぶらだから」

出迎えてくれた店主の田村純一さんは今年で65歳。子どもの頃にはゴジラ映画を観たこともあるが、『シン・ゴジラ』はまだ観ていないという。大変人気のようですよと伝えると、笑いながら言った。

「このへんやられちゃうんでしょ?いつだったか受けた取材の記事に『ゴジラに潰されたい』って書いてあって、俺そんなこと言ったかなあって(笑)。つい、調子に乗って言っちゃうんだよな」

店長の田村さん。開店準備前にお話を伺った。後ろのゴジラの切り絵は定年退職をした同級生が作ったもの。

田村さんの生まれは台東区浅草。一見頑固そうな表情の下に、下町っ子ならではのきっぷの良さが見え隠れする。頼まれたら嫌とは言えないし、聞かれたらなるべく面白く答えたい。サービス精神から話した言葉が予期しない記事を生んだとしても、「まあ、仕方ない」と笑い飛ばしておしまいだ。

浅草で暮らしていた頃から、家業は銭湯だった。田村さんは先代の父親が1955年(昭和30)に作ったこの西蒲田の銭湯を継ぎ、現在浅草稲荷町の銭湯「上野浅草銭湯 日の出湯」は息子さんが切り盛りしている。

「そっちが1号店なの。だからうちは“第二日の出湯”。浅草は、今はマンションの1階にあってここに比べて狭いけど、新しくて綺麗だよ。隅田川花火大会の日は知り合いに開放して、みんなで風呂に入ってから屋上で花火を見るんだ」

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夏休みに遊びに来ている孫のマコトくん。好きなポスターは第1作目の『ゴジラ』。

話を聞いた休憩室の壁には、1954年(昭和29)に公開された第1作目の初代『ゴジラ』から、『怪獣大戦争』(1965年)、『ゴジラ対メカゴジラ』(1974年)など、歴代のゴジラポスターがびっしり貼られていた。往年の東宝ポスターが銭湯の休憩室によく似合う。いかにもキャンペーンですという空気が出ないところが、昭和生まれのゴジラと、銭湯という場所の掛け合わせの妙かもしれない。

次のページ:浴室で味わう巨大ゴジラと大田区の街並み

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