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野方のコーヒースタンドは祭りでなく日常を目指す:〈DAILY COFFEE STAND〉店長・小川優インタビュー

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野方のコーヒースタンドは祭りでなく日常を目指す:〈DAILY COFFEE STAND〉店長・小川優インタビュー
FEATURE
東京で起こっているハイパーローカルな動向を独自取材し、特集形式でお届け。
2016年7月29日
野方のコーヒースタンドは祭りでなく日常を目指す:〈DAILY COFFEE STAND〉店長・小川優インタビュー
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写真_下屋敷和文、協力_武田俊、文_飯田ネオ
お客さんが「また明日!」と
帰っていく

──お店のコンセプトはどうやって詰めていったんですか?

こだわってはいるけど、そのこだわりがうるさくない店にしたいなと思いました。コーヒー好きの人も満足させられて、おじいちゃんおばあちゃんがふらっと入って来て「ブレンド」って言うのも許してあげられるような。

わざわざ行ってわざわざ並ぶんじゃなくて、普段から使える、ストレスがない店を作りたかったんですよね。

──先ほども、地元の人たちの憩いの場がなかったという話がありましたが、そもそもこの辺りにはコーヒースタンドのような、カジュアルにコーヒーをテイクアウトできるお店がないような印象があります。

若い人は「コーヒー屋なかったから嬉しいです!」って反応してくれますね。年配の人は“コーヒースタンド”というものがわからない。その差も面白いんですよね。でもオープンしてみると、そういった業態にこだわらずに、お客さんたちが好き勝手に使ってくれるんだとわかりました。

_DSC4120

──この取材中も、お店にいるのってほとんどが地元の人ですもんね。みんな気軽に声をかけ合って。

何人かは「また明日!」って帰っていくんですよ(笑)。それが嬉しいです。

──店名がまさにそういうことですもんね。デイリーに普段使いしてもらえるお店という。

久々に東京に帰ってきていろんなコーヒー店を回ったんですけど、「うちはここの豆を使ってます」ということを大きく打ち出しているお店が多いなと思ったんですね。僕はコーヒーが好きだし、そういうこだわりが好きなので問題ないんですけど、一般の人からすると、入りづらいアパレルショップみたいなコーヒー屋さんが増えちゃったような気もしていて。

それはそれでひとつの形としていいと思うんです。でも野方でやるならうるさくない店がいいなって。うちの豆は三軒茶屋の「カフェオブスキュラ」さんのものを使っていますが、メニューは難しくせずに、なるべくわかりやすくしようと思っています。

──バナナジュースとサイダーがあるのも面白いですね。

せっかくだから中野区で製造されているもので、子どもが喜ぶ飲み物がないかなあと探したら、このサイダーを見つけたんですよ。創業80年の老舗サイダー屋さんが作ってるんです。

写真右の「ラムネ屋さんのサイダー」は、中野のサイダー製造会社、東京飲料株式会社が作った地ビールならぬ地サイダー。

写真右の「ラムネ屋さんのサイダー」は、中野のサイダー製造会社、東京飲料株式会社が作った地ビールならぬ地サイダー。

みんなの日常になったらいい

──今後、こういうお店にしていこうっていう目標やこだわりはありますか?

「あの店に行こう」って思われないぐらいの日常になってくれたらって思いますね。話題にならなくなって、「野方にはこれがあるのが普通だよね」って、この店に来るのがイベントにならなくなればいい。今はまだ「野方にきれいなお店ができたのよ」ということでお客さんが来てくれていると思うんです。でもそれはまだデイリーではないので、もっとみんなの日常になったらいいなって。

_DSC4097

──場所があるといろいろとできることが広がりますもんね。

それは大きいと思いました。やりたいこともたくさんあります。でも、何をするにもまずは営業を続けてからですね。

──小川さんはずっとお店にいらっしゃるんですか?

基本的にはいるようにしています。コーヒーは毎日飲むものなので、店は休みなく開けたくて。なので、なるべく自分で店に立つ時間を長く持ちたいと思っています。ただ、どうしても僕が店頭に立てない時もあるので、そんな日は「here we are marble!」の同僚だったアヤちゃんがいてくれます。彼女が淹れるコーヒーも、僕のものと同じように好きになってもらえたら嬉しいですね。

──お店がいつも開いているとふらっと立ち寄れますもんね。ちなみに、音楽の選曲は小川さんの趣味なのでしょうか。

はい。なんだかんだ、いちばん店にいる時間が長いですからね。僕が好きな曲をかけます!

左がスタッフのアヤさん。小川さん曰く「よく間違えられるんですけど、夫婦ではないということを強調しておいてください」。アヤさんは既婚とのこと。

左がスタッフのアヤさん。「よく間違えられるんですけど、夫婦ではないということを強調しておいてください」と小川さん。アヤさんは既婚とのこと。

──今だとネバヤン(「NEVER YOUNG BEACH」)の気分なんですね。

さすがにベビメタ(「BABY METAL」)は流せないですからね。

──ベビメタもお好きなんですね。

そうです。なのでオープン直後の目標は、9月の東京公演までにアヤちゃんを独り立ちさせることでした(笑)。

──なるほど。では先ほど、“今はアヤさんがお店に立つこともある”と仰っていたということは……。

目標達成かもしれないですね(笑)。あとは毎日この店でコーヒーを煎れ続けて、野方の当たり前になれたらと思いますね。

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