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名前のない街・西浅草から東京土産を 「岡野弥生商店」は路地に佇む:〈新吉原〉デザイナー・岡野弥生インタビュー

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名前のない街・西浅草から東京土産を 「岡野弥生商店」は路地に佇む:〈新吉原〉デザイナー・岡野弥生インタビュー
FEATURE
東京で起こっているハイパーローカルな動向を独自取材し、特集形式でお届け。
2016年6月4日
名前のない街・西浅草から東京土産を 「岡野弥生商店」は路地に佇む:〈新吉原〉デザイナー・岡野弥生インタビュー
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写真_下屋敷和文、バナーデザイン_siun、取材・文_編集部
肩書は「土産商」
台東区へ訪れるきっかけを作りたい

──このお店ではどんなことをやりたいですか?

ここでしか買えないものを増やそうかなと思っています。ネットにも出さない数量限定の商品とか、少しだけエロ要素が強めのものも出してみたいですね。

地元の吉原にはお店がない代わりに、土産物の販売機を置きたいなとも考えているんです。コンドームの販売機にバッジが入ってるみたいな。西浅草の店の前にも置いておけば、店が閉まっている時も商品が買えるからいいかなって。

西浅草だけで販売される「SOAPLAND巾着」。

西浅草だけで販売される「SOAPLAND巾着」。

──あと、気になっていたのがお店の名前です。ご自身の名前を付けましたよね。

〈新吉原〉を立ち上げた時から屋号は「岡野弥生商店」なので、お店の名前も自然とそうなりました。

浅草って、「酒井直三商店(*)」みたいに、男の人の名前で「◯◯商店」というのがすごく多いんです。ずっとそれをかっこいいなと思ってきたんですけど、女の人の名前は見たことがなかった。だから私は自分の名前にしようって思ったんです。それに、変に英語の名前も付けたくなかったんです。女性経営者が立ち上げた古い会社名ってフランス語だったりするんですけど、喋れもしないのにそれは嫌だなあって。あと、「岡野弥生」って自分でも字面がいいなと思っていたんです。

*1948年(昭和28)に靴製造および卸売業として浅草に創業した老舗靴販売店。リーズナブルで質の良い革靴やサンダル、スニーカーなどを販売していた。2013年2月に閉店。店の場所は台東区浅草2丁目。

──「商店」というのもまたいいですよね。

土産物屋だしちょうどいいかなって。それに、肩書は「土産商」ですから。これ、〈新吉原〉を応援してくださっている先輩が付けてくれたんですけど、すごく気に入っているんです。

──古物商ならぬ、土産商なんですね。

土産業界もアパレルが多いんですけど、うちはあくまで土産専門。アパレルのような、シーズンにあわせた商品展開は一切考えていません。すぐに発信できてすぐに買えたほうがいいだろうって思ってるし、自分の好きなタイミングで作って出したいんです。

──楽しみです! オープン後はどういう営業形態になるんでしょうか。

一応12時から18時まで営業予定で、今のところは不定休です。オープンしてからは少し様子を見ようと思っています。しばらくは毎日営業してみて、それから休みの日を決めていこうかなと。私が倒れない限り(笑)。

今は私しかいないけど、そのうち余裕ができたら人を入れたいなぁというのもあります。「ソープ嬢を入れたら?」ってアドバイスをくれる人もいるんですよ。決して冗談ではなく、ああいう世界の人たちは頑張り屋さんが多いし、起業しようと色々考えている人もいるんです。

まあ、あんまり先々のことまで考えてはいないですけどね。まずはお店を開けて、どうなるかですから。

額装も似合う絵札各種。左から「国貞」、「写楽」、「歌麿」。

額装も似合う絵札各種。左から「国貞」、「写楽」、「歌麿」。

「小判桶」は宮内庁御用達の結桶師、桶栄とのコラボレーション。

「小判桶」は宮内庁御用達の結桶師、桶栄とのコラボレーション。

店内から外を眺める。向かいは空き地。

店内から外を眺める。向かいは空き地。

──最近の東京の街の動き方だと、ひとつ注目される場所ができると、そこから派生して急にいろんなお店ができ始めますよね。西浅草も変わるかもしれませんね。

西浅草や浅草だけじゃなく、上野もひっくるめて台東区に遊びに来てくれるきっかけになったら嬉しいなって思っています。前から、台東区って東京23区の中で結構忘れられているような気がしていたんです。ピンと来ないっていう人、多くないですか?

──ああ、東エリアをごっちゃになって認識している人は多いかもしれないですね。墨田区と台東区の違いがわからなくて、「スカイツリーは浅草にある」って思ってる人も多そうですし。

歩くと遠いよって(笑)。西浅草は、実は花やしきも近いし、浅草ROXも観音様もすぐなんですよね。なかなかみんな足を伸ばさないけど、ちょっと裏手に入ってみるのも面白いと思う。そして「ちょっと変なエリアに行きましたよ」っていう証に、お土産として〈新吉原〉を買って行っていただけたらと思いますね。

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※土産物ブランド「新吉原」は吉原公認のブランドではありません。

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