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東京でペットと逃げるには 「いっしょに逃げてもいいのかな?展」で学ぶ“同行避難”

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東京でペットと逃げるには 「いっしょに逃げてもいいのかな?展」で学ぶ“同行避難”
FEATURE
東京で起こっているハイパーローカルな動向を独自取材し、特集形式でお届け。
2016年5月17日
東京でペットと逃げるには 「いっしょに逃げてもいいのかな?展」で学ぶ“同行避難”
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写真_下屋敷和文、文_編集部

話し合って解決するために

平井:「同行避難の受け入れOKですよ」という避難所は、まだまだ少ないと思います。おそらく避難所ごと、状況に応じて判断しているのが実情ではないでしょうか。ただ反対にこういう例もあるんです。長野県の白馬で大きな地震があった、一昨年の冬なんですが、私は1週間目に現地を訪れて、避難所運営の方に「この避難所ではペットに対してどのような取り組みをされていましたか?」ということをお聞きしました。すると「皆さん、ペットを連れて来られたので、風防室に置いてもらうことにしました。そこから犬の散歩にも行かれましたよ」と仰ったんですね。さらに「何か問題はありませんでしたか」と尋ねたのですが、反対に「何の問題ですか?」と聞かれてしまいました。

この震災では、ある家屋が倒壊したときに住民みんなで協力して、下敷きになったお年寄りが救助されたことがニュースになりました。その地域の状況をお聞きしたところ、コミュニティの関係が非常に密であるということが判りました。倒壊した家についても、おばあちゃんの寝てる部屋までご近所で知っていたから、「ここを探せばきっとおばあちゃんがいる」と、最短の時間で対応できたそうなんです。

白馬の震災で避難された方々は、「同行避難の体制つくり」だとか「地域防災計画への同行避難の文言の盛り込み」だとかはご存知なかったと思います。でも避難した方同士で「あ、ペットいるんだったらここに置いておけば? 室内は人だけにしようね」と話し合われて解決できていたんですね。

体制やしくみを整備することも大事ですが、話し合って解決していける地域コミュニティの人間関係がなければ、いざ「同行避難しましょう」というときにトラブルの解決が難しくなってしまうのかなと思いました。例えばいつも糞が放置されているとか、いつも吠えていて迷惑だとか、ご近所で動物に関する問題がある状況で、「同行避難を理解してください」とお願いしても、受け入れてもらうのは難しくなりますよね。被災され、誰もが不安で緊張している状況で、同行避難についてゆとりを持って理解していただくには、普段から地域での動物の飼育に関わるモラルやマナーを守っておく必要があるのかなと。ペットに関するトラブルはできるかぎり抑えておかなければ、避難所での理解に繋がりにくいように思いました。

その点、東京ではなかなか地域のコミュニティを築くのが難しいと思います。でもイヌを飼っている方であれば、お散歩仲間っていますよね。お互いの名前はしらなくても「◯◯ちゃんのママ」というように、ペットを通じて関係性ができていることもあるはずです。そういった仲間で連携をして、いざというときどうしよう、という助け合いの仕組みを作っておくことも大切かなと思います。

ひとつの方法がオールマイティではない

平井:今回、避難生活はワンパターンではなく、いろんな手段がありますよということをお伝えしたくて『一緒に逃げてもいいんだよ』と題したパンフレットを作り、いくつかのパターンの避難方法を挙げております。屋内、屋外、テント……。それぞれの避難のタイプに気を付けなければいけない注意点があるんですね。

5月になり気温が上がってきたため、避難生活には熱中症の危険が生じています。熊本では、テントの中にいたにもかかわらず熱中症になったケースもありました。陽当たりの良い場所にあったテント内の温度が40度まで上がっていたんです。そのような条件下では、ペットはテント内ではなく、屋外で風通しの良い涼しい場所を飼育スペースにしてそこにおくとか、その時その時で安全な策を考えていかないといけません。

パンフレットに載せた避難方法がゴールではなく、こんなパターンがあるんだよということを知っておいてもらうことで、「避難所に入れない。どうしよう、行き場がない」ではなく「あっ、家にテントがあるな」「とりあえず車で過ごそう」、「でもこんなことに注意しなければ」という選択と対策に繋がればいいなと思っています。ひとつの方法がオールマイティではない、災害によって変わってくるということをぜひご理解いただきたいと思います。

 

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