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ドットはノスタルジーの呪縛から逃れられるのか:「ピクセルアウト展」たかくらかずきインタビュー

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ドットはノスタルジーの呪縛から逃れられるのか:「ピクセルアウト展」たかくらかずきインタビュー
FEATURE
東京で起こっているハイパーローカルな動向を独自取材し、特集形式でお届け。
2016年2月19日
ドットはノスタルジーの呪縛から逃れられるのか:「ピクセルアウト展」たかくらかずきインタビュー
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取材・文_飯田ネオ、協力_武田俊
たかくらかずきによる
「ピクセルアウト」参加者紹介

今回「ピクセルアウト」に参加するのは、すべてたかくらさん自らが呼びかけて集めた人たちだ。思い入れや、背景なども踏まえつつ、それぞれご紹介いただいた。

■m7kenji

いちばん最初に「こういうイベントをやりたい」ってふたりで話してたんですよね。彼とは大月壮さんの現場で出会いました。僕のドット絵の師匠ともいえます。最近だとTORIENAさんのMVをひとりで作ってしまったり、「PixelTweet」っていうドット絵エディタのアプリも作っていて、デザイナーでありながら開発者であり、ドット絵を世に広めようとしている人だと思っています。

■奥田栄希

奥田さんは、レトロゲームの文脈で作品を作っている人なんですけど、「悲しいゲーム展」という個展を開いていて、その展示が素晴らしくて、声をかけました。ひたすら落ち続ける。敵に向かって弾を撃つと、敵がよけて自分にあたる……。悲しいですよね。この方の作品はゲームからゲーム性を排除したときに残る「構造」だけを浮き彫りにしていて、それがシステムの廃墟みたいでとてつもなく悲しい。そこが面白いです。

■Gavin Reed

彼はアメリカからの参加で、確かTwitterで見つけて連絡をしたのかな? 日本では見ないようなドット絵を描く人ですね。「何を作ってくれるんですか?」って聞いたら、ドット絵を油絵で描いて送ってくれるらしくて。すごく楽しみです。

■日下一郎

ゲーム開発のグラフィッカーで、長いこと実際にゲームのグラフィックをつくっていたそうです。現在はマンガ家としても活動していて、オールドット絵で『ファイナルリクエスト』という作品を描いています。RPGをクリアしたあとの世界が舞台で、主人公(プレイヤー)がいなくなった世界で、いろんな解像度のゲームのグラフィックが混ざったり、バグっていく表現が素晴らしくて声をかけました。今回の参加者の中で、いちばんゲーム寄りの立ち位置かもしれません。

■重田佑介

モニターの解像度というハードウェアの観点からドット絵にたどり着いたアーティストだと思います。フルHDモニターにすごく小さいドット絵のアニメーションを映しているのを雑誌で見て、面白い!と思い連絡しました。初めて会った時に「昔の640×480の頃と比べて、フルHD(1920 ×1080)のモニターのほうがドットの大きさが小さくなっているんだ」という話をされて、衝撃を受けたのを覚えています。

■鈴木一太郎(zerotaro)

鈴木さんも、彫刻について考えていたらドット絵的な表現に辿り着いてしまったそうです。彼の作品で面白いと思ったのは、LED彫刻です。ひとつひとつにLEDが仕込まれた箱状のキューブの組み合わせでできていて、プログラムでLEDの色などを制御しています。綺麗なんですけど、彫刻として無茶をしている気がして。彫刻って本来動かないものなのに、ハードウェアとソフトウェアを分離させたことによって幽霊みたいなパラレルが生まれている。その無茶が面白いなあと思いました。

■二艘木洋行

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もう長いこと「お絵描き掲示板」を使って製作をしている作家さんです。今回の展示を企画する過程で「デジタル画像はいったいどこまでがドット絵なのか?」について考えました。そのときに、ドット絵の境界線としてまず一番に思いついた作家です。今回の参加者の中で一番解像度が細かいかもしれません。

■Paul Robertson

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PS3で「スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団」っていう映画のゲームにハマってよく遊んでいたんだけど、そのグラフィックを作ったのが彼でした。アニメの「シンプソンズ」のオープニングを作ってもいて、描き込み度も動きのクールさも、ドットで絵を描く人の中で最強だと思ってる。作品を載せてるTumblrもすごくかっこいいです。

■Valenberg

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m7kenjiくんが教えてくれたドイツの作家で、空気感があってオシャレだなと思いました。日本が好きなんだなって感じもある。依頼したあとで「こういう作品を作ってるんだ」ってYoutubeのリンクが送られてきたんですけど、粒の大きいLEDの作品で、超サイバーパンクでした。どうやって日本に送るのか楽しみでもあり、ちょっと不安でもあります。

■マリヒコ

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自分の描いたドット絵を、iPhoneアプリなどで加工してGIF画像やvineにして、SNSにアップロードしている方です。今回の参加者の中で一番若いのかな?だからかわからないけど、ドット絵からレトロな感じが全くしなくていいなと。解像度もぐちゃぐちゃだし、写真と重ねたりするところがインターネット感やアプリ感があって、かっこいいです。

■安田昂弘

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安田さんとはもう知り合って10年以上が経ちます。不思議な縁があって、受験期に僕は多摩美術大学を受けて落ち、東京造形大学に入ったんですが、その多摩美の受験で僕の前の席だったんですよ。しかも彼は造形大で仮面浪人してたっていう。それからいろいろな偶然で仲良くなりました。

もともとパスでグラフィックを作る人だと思ってたんですけど、「DOMMUNE」のVJで見た時あたりからピクセルっぽい表現をやってるなあと。それがより具体化したのが、先ほども話した個展の「share_me」ではないでしょうか。しかもよく話を聞いたら、パスで複雑なドット絵を作っているらしくて、狂気の沙汰だなと。個展を見に行った日に話して、出てもらうことにしました。「ピクセルアウト」のDMや看板のデザインも安田さんによるものです。

■矢野由布子

重田さんが「気になっている作家がいる」って教えてくれたんです。抽象と具象の間というか、記号のような感じが好きです。きっとファッション的なデザインセンスと、四角形の連続というドット絵ならではの表現がぴったり合致している人なのではないでしょうか。とにかく僕にはないセンスを持っている方だなと思い、声をかけさせていただきました。

■やんこま

普段はドット絵の作品を作ってるわけじゃなくて、アニメーション作家さんです。モニタごと作って、複数のモニタのウィンドウを作品にしてるんだけど、GIFっぽくて素敵です。一度展示でピクセルがわかるような表現の作品をつくっていたので、今回もまたそういうのを出してくれるのではと思っています。

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