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ドットはノスタルジーの呪縛から逃れられるのか:「ピクセルアウト展」たかくらかずきインタビュー

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ドットはノスタルジーの呪縛から逃れられるのか:「ピクセルアウト展」たかくらかずきインタビュー
FEATURE
東京で起こっているハイパーローカルな動向を独自取材し、特集形式でお届け。
2016年2月19日
ドットはノスタルジーの呪縛から逃れられるのか:「ピクセルアウト展」たかくらかずきインタビュー
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取材・文_飯田ネオ、協力_武田俊
ドットは対象物を文学的にする

──たかくらさんはどういう作品を出すんですか?

僕は解像度の高い絵と、3DCG、様々な解像度のドット絵が混ざったような大きい作品を出します。古事記の「国生み」(※)をベースにした作品です。

※国生み…古事記に書かれている日本創生を伝える神話。伊邪那岐(イザナギ)と伊邪那美(イザナミ)の2神が登場する。

──昨年から制作されていた、スマホの絵文字を使った作品も出します?

絵文字はまた別かなあ……。

“「怒りの大日」"

「怒りの大日」©Kazuki Takakura

でも、重なる部分もありますよ。ドット絵って、具体的なものをぼかして、記号化していくんですよ。現実にあるものをドットにするとディテールは見えなくなるから、見る者はそこにあるものを想像で補おうとする。ドットには、対象物を文学的にする効果があるんです。

──なるほど。

さらに絵文字というのは、デジタル上でしか表現できない言語です。つまり発声、オノマトペがない。でも、世界中の人がスマイルの絵文字を見たら「あ、ご機嫌なんだな」っていうことがわかる。それは世界共通なんです。その絵文字を使ってさらに絵を描くことで、絵の中に個別の意味が蓄積されるんですよ。「この形にスマイルの絵文字があるということは?」みたいに、パラレルワールドが生まれるというか。

──ドット絵のさらに一段階踏み込んだ形というか。

ドットで一回ぼかしたあとに、さらに絵文字で意味をつける。それは少し演劇に似た面白さがあって、僕はけっこう好きなんです。 僕がドット絵とか絵文字が好きなのは、意味をぼかしたり、付随させたりする行為に興味があるからかなと思いますね。

Processed with VSCOcam with f2 preset

音でもピクセルアウトする
先行イベント「ENTER BIT」

──「ピクセルアウト」は中野ブロードウェイの「Pixiv Zingaro」で行われますが、渋谷の2.5Dでも先行イベントがありますね。

はい。「ENTER BIT」という、音に関するイベントをおこないます。コンセプトは「ピクセルアウト」と同じで、ゲームへのノスタルジーじゃない方面からチップチューンで新しい音楽を作る動きを取り上げる感じです。チップチューンアーティストのTORIENAさんとの共同企画で、僕とTORIENAさん、m7kenjiさん、2.5dの飯寄さんと企画を練りました。

──今はもう、ゲーム音楽ってピコピコしてないですもんね。

TORIENAさんやgigandectさんは、チップチューンを新しい表現の場として捉えていて、ファッションと接続しようとしたり、インターネットを経由して他のジャンルと繋がったりしているところが面白いです。Chip Tanakaさんは、実は「ポケットカメラ」の開発者であり、「MOTHER」やアニメ「ポケットモンスター」のテーマ音楽を作った方でもあります。まさにゲームの歴史を作った人が、今またチップチューンで自分の表現を更新していってる様子もすごく興味深いですね。

Processed with VSCOcam with f2 preset

 

次のページ:たかくらかずきによる「ピクセルアウト」参加者紹介

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