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メッセンジャーとヌードカレンダー 肉体の先にあるもの:〈Hübner〉YUKIインタビュー

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メッセンジャーとヌードカレンダー 肉体の先にあるもの:〈Hübner〉YUKIインタビュー
FEATURE
東京で起こっているハイパーローカルな動向を独自取材し、特集形式でお届け。
2015年12月24日
メッセンジャーとヌードカレンダー 肉体の先にあるもの:〈Hübner〉YUKIインタビュー
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写真_下屋敷和文、取材・文_飯田ネオ
東京は有機体
直感で道を探りあてる

──連日、都内を走っていらっしゃると思うんですが、“東京を走る”というのはどういう感覚なんでしょうか。

面白いのは、いろいろなトラップがあるところですかね。今まであったものがいきなり無くなったり、コンビニになってたり。メタモルフォーゼがすごいんです。

走っていると、街の変化にも敏感になる。

走っていると、街の変化にも敏感になる。

──それは東京に限った現象ですか?

海外でもあると思います、都市なら。そういう変化の速さは都市にしか無いと思いますね。

──目印がなくなると走るのも大変そうですね。

カンに頼りますね。でも街の新陳代謝が活発というか、生き物みたいで面白いですよ。街そのものが有機体なんですよね。

──いつも使うルートはいくつか持っているんですか?

一回「これだ!」っていう道を見つけると、ずっとそこを使ったりしますね。でも未だに「こんな道あったんだ!」って発見がありますよ。

つい最近、吉祥寺から新池袋に向かうのに、すごく綺麗なルートを見つけて感動しました。反対に、走ってみて「失敗した……」っていうこともあります。そういう時は一日中モヤモヤする。全部バシバシッて決まる日は本当に少ないんです。

──そういう新しい道を探す時って、事前にスマホなんかでチェックをするんですか?

一応チェックはするんですけど、スマホはGPSがおかしくなったりして、実はアテにならないことが多いんです。それよりは地図のほうが良いし、もっといえば嗅覚。「みんなこっち行ってるし、この道じゃね?」みたいな(笑)。ほら、“道の神”がいる感覚?

のび:う〜ん。俺、あんまりないかな(笑)。

うそ! ああいう時って絶対アドレナリンが出てるでしょ?

のび:ああ、でも信号がずっと青のまま繋がった瞬間の気持ちよさはあるね。「俺いま、東京一速いかもしんねえ!」って(笑)。

そうそう、そういうの! 荷物を持ってるとアドレナリンがバーッって出てくるんですよ。テンションが上って冴えてくるというか。

ビルの屋上でも軽やかに走る。

ビルの屋上でも軽やかに走る。

──どんどん気持ちが高まってくる感じなんですね。

直感が研ぎすまされるんでしょうね。だから、走ることは自分を知ることに繋がるんです。電車で移動してると、地形がどうなってるかって分かんないじゃないですか。でも自転車で走ってると、東京がどういう地形なのかがわかってくる。走れば走るほど、明確に。

そのうち、自分が住んでる場所がどんなところなのか、自分のいる“位置”がどんなところなのか、わかるようになるんです。そうすると自分のことがどんどんわかってくる。それは走ることのひとつの糧というか、やっていて良かったと思いますね。

早く届けたい=メッセンジャー
みんなの意識を変えていきたい

ー今後は、カレンダーのような製作活動も続けていくんですね。

はい。カレンダーに留まらず、色んな人にメッセンジャーの存在が届くような表現を続けていきたいです。誰かが言わないと文化として人に伝わらないし、残らないと思うから。

──今は自費出版で小規模に作る書籍も多いですし、少数のほうが届けたい人にきちんと届くという利点もありますよね。

そうですね、できる限り自分たちで。フライヤーも全部自転車で届けてますし。プレス活動も、リリースを書いて一斉に送るというよりは、お世話になったメディアに自分で電話していますし。

発売とあわせて渋谷「W-BASE」で行われた写真展では、大判の作品が飾られた。(現在は終了)

発売とあわせて渋谷「W-BASE」で行われた写真展では、大判の作品が飾られた。(現在は終了)

ギャラリーでなくショップで開催したことで、自転車に関わる様々な人が訪れた。

ギャラリーでなくショップで開催したことで、自転車に関わる様々な人が訪れた。

──毎年恒例になると楽しいですね。昔ながらの、お得意さまに渡すカレンダーみたいな。

無料で配布とはいかないですけど、毎年作れたらいいですね。まだ全然未定ですけど、正羅くんとのコラボレーションは今後も続けたいと思っています。

──特に今は新しい会社で、いい環境が整っているわけですもんね。

そうですね、すごくやりやすいです。この環境を活かして、メッセンジャーたちのために道を作れたらと思いますね。ただ届けるだけじゃなくて、多様性を持ったメッセンジャーになっていきたい。

あと、「メッセンジャー」という職業への、人々の意識を変えていきたいです。困ったら警察、火事になったら消防署、みたいに、「早く届けたい時はメッセンジャー」っていう意識が生まれるようになったらなって。そのためにも、ずっと表現を続けていきたいですね。

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