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漫画家・柴門ふみインタビュー「ウォーターフロント=江戸前だったのよ」— 観察者の目が捉えた、東京と女性像の転換期

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漫画家・柴門ふみインタビュー「ウォーターフロント=江戸前だったのよ」— 観察者の目が捉えた、東京と女性像の転換期
FEATURE
東京で起こっているハイパーローカルな動向を独自取材し、特集形式でお届け。
2015年7月22日
漫画家・柴門ふみインタビュー「ウォーターフロント=江戸前だったのよ」— 観察者の目が捉えた、東京と女性像の転換期
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取材・文_飯田ネオ / 写真_熊谷直子

──柴門さんの作品は、東京が舞台でありつつ、地方出身者が多く登場します。『同・級・生』では島根、『東京ラブストーリー』では愛媛。東京と地方の対比というのは、どう意識されていたのでしょうか。

東京にずっと住んでる人って、じつはあんまり東京を知らないんですよね。地方から出て来た人のほうが詳しいんです。飢えてるんですよ。私自身、四国から東京に出てきた当時、聞いたことのある地名を訪ねて回りましたもん。浅草とか、千住とか。「お花茶屋」なんて聞いただけで嬉しくて(笑)。

──そういう華やかな東京をリサーチしつつも、柴門さん自ら東京に染まることなかったんですね。

私は違う人種だなと思ってたので、観察する立場をずっと貫いてましたね。

──ただ、観察者として一歩引いた目線で作った作品が、トレンディの代名詞としてワッと広まりましたよね。

田舎の人の視点で見た東京の物語だったので、日本中の田舎の人の共感を得たんじゃないですかね。『東京ラブストーリー』のカンチ(永尾完治)は愛媛出身ですから。カンチがいろんな東京を見て驚くのを、地方の人たちは追体験していたんだと思いますね。

『東京ラブストーリー』より。©小学館

『東京ラブストーリー』より。©小学館

──たしかに『東京ラブストーリー』に登場する湾岸の風景は、カンチが愛媛から戻る時の、機内から見た風景ですね。

あれは、私が徳島から飛行機で東京に戻るときに見る景色なんです。私の中で、東京のイメージは“海から見た東京”なんですよ。つまり、外から見た東京。一貫して私は、東京に対して田舎者の目線なんです。

──天王洲やウォーターフロントが注目されたのも、そういう視点があるんでしょうか。

新しくできた街だったっていうことが大きいですよね。ボードウォークっていうのも都会的だったし。あと、ネーミングが田舎の人にもわかりやすかったんじゃないですかね。「ウォーター」の「フロント」、つまりは“江戸前”ですからね(笑)。

──今の天王洲は、ライフスタイルショップやカフェもできて、家族連れが訪れる落ち着いた街になりつつあります。先進的でイケイケと言われた頃と比べて、どうご覧になりますか?

もう肩幅がとんがった人はいませんよね(笑)。大きなマンションも多いし、セレブなカップルがたくさん住んでいる印象かな。ただやっぱり、デートスポットとして、「水辺」という選択肢はこれからも変わらずあり続けると思いますね。

──色っぽい雰囲気がありますよね。

官能的ですしね。山とか高原の澄んだ空気の中では官能的になれないじゃないですか。スピリチュアルになっちゃう(笑)。

──ウォーターフロントは男女にとって重要な役割を持ち続けると。

そうですね、とくに夜は。水面に映る灯りが水でこう揺れると、揺れるんじゃないですか、男女の心も。

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