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書籍『WE WORK HERE』が伝える “100人100通りの働き方”:〈みどり荘〉インタビュー

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書籍『WE WORK HERE』が伝える “100人100通りの働き方”:〈みどり荘〉インタビュー
FEATURE
東京で起こっているハイパーローカルな動向を独自取材し、特集形式でお届け。
2015年12月1日
書籍『WE WORK HERE』が伝える “100人100通りの働き方”:〈みどり荘〉インタビュー
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写真_下屋敷和文、取材・文_飯田ネオ
100人にインタビュー!
自費出版『WE WORK HERE』

──今回『WE WORK HERE』を出版しようと思われたのには、どういった経緯があったんでしょうか。

小柴:〈みどり荘〉が出来て3年経つし、「何か集大成を作らないと」という思いがありました。そもそもオフィスの運営が目的ではなくて、変わっていく働き方に焦点を当てようと始めたプロジェクトでしたし。ようやく動き出せた感じです。

「WE WORK HERE」。シンプルで力強いメッセージ。

「WE WORK HERE」。シンプルで力強いメッセージ。

──この3年間の積み重ねが反映されているんですね。本はどういう構成になるんでしょうか。

小柴:自費出版で、100人の働き方を紹介します。

──100人! 登場するのは皆さん〈みどり荘〉の方ですか?

清田:だいたい100人のうち半分ぐらいがメンバーで、あとは〈みどり荘〉と関係がある人たちで構成します。

小柴:色んな職種を紹介したいと思っているので、残念ながら全員というのは難しくて。

清田:どうしてもデザイナーが多いですからね。

小柴:でもなるべく多く、メンバーの人たちに取材するつもりです。

──かなりのボリュームになりますね。

清田:“1人のことを深く”というインタビューは色んなメディアで見ることができます。ぼくたちはそれよりも、様々な職種ごとの働き方を見てもらいたい。もっとその人のことを知りたければ直接連絡してもらえばいいですしね。

この日行われていたインタビュー。アートディレクターのヘスース・サリナスさんは、表にある宿泊可能なキャラバンカーのオーガナイズをしている。

この日行われていたインタビュー。アートディレクターのヘスース・サリナスさんは、表にある宿泊可能なキャラバンカーのオーガナイズをしている。

──100人の働き方は様々だと思うんですが、どのような視点で製作をしているんでしょうか。

清田:〈みどり荘〉って、場所でもあるし、組織でもあると思うんですよね。ただのオフィススペースといえばそうだけど、それ以外の要素が大きいというか。絶えず知らない人が入って来たり、横のつながりがあったり、仕事が生まれたり……。

大矢:運動体みたいなものだよね。運営側の目線でメンバーの方々を見ていても、やっぱり面白いんですよ。今まで交わることがなかった人たちが、どんどん接点を持っていくのが。

清田:そう。フリーランスならマンションの1室を借りればいいけど、それだと自分だけで完結してしまう。でも、フリーランス同士が集まると、ちょっとした会社みたいな組織が出来て、新しいしくみが生まれていく。そういう面白さを伝えたいなと思っています。

仕事はキャラクター
100人いたら100人のバラエティがある

──インタビュー以外にはどういうページがあるんでしょうか。コラムとか……。

大矢:なんだろう?

小柴:なんだろう?

清田:今のところないですね。

大矢:えっ、ずっとインタビュー? 中だるみしない?

清田:でも100人出てくるからね。「数でビビらす」っていうのがいいのかなって……。

大矢:いやいや(笑)、ビビらないから!

常に笑いが耐えない、仲の良い編集チーム。

常に笑いが耐えない、仲の良い編集チーム。

小柴:(笑)。でも登場する人が幅広いよね。先日インタビューしたのは71歳の現役DJの、DJ KUMEさん。

大矢:〈みどり荘〉のオープニングでDJしてもらったご縁でね。そうやって、〈みどり荘〉から広がる人たちにも話を聞いているので、読み応えはすごくあると思います。

清田:人選のポイントは、“何してるかわからないような人”ですね。一言で仕事を言い表せないような人たち。

大矢:だって、いまだに何やってるか知らない人いますもん。

小柴:聞いてもわからない(笑)。働いてるんだか遊んでるんだかよくわからない見た目の人たちばっかりだもん。「1日をどうやって使ってるんだろう?」みたいな。

清田:でも仕事って、ある程度スキルがついたら、あとはキャラクターじゃない? 面白い人って面白い仕事しそうな気がするじゃないですか。

小柴:確かに。

大矢:キヨさん、キャラづくりに力入れてますもんね。

小柴:成功してるかどうかは別として(笑)。

「キャラクターは大事」と清田氏。

「キャラクターは大事」と清田氏。

──でもそれは、仕事というものの捉え方の〈みどり荘〉ならではの提案とも聞こえますよね。キャラクターも大切だっていう。

大矢:100人いたら、100人のバラエティがありますからね。

小柴:そう。それに、実際はみんな色んなバックボーンがあって、その上で働いている。読んだ人に「こういう働き方もあって、生きていけるんですよ」っていうことを伝えられたらなと思うんです。ただ「この仕事かっこいいな」みたいな、憧れを持たせたくはなくて。

清田:そういう生っぽい部分をなるべく見せていこうっていうのはありますね。メディアが取り上げる「働き方特集」って、一部のヒーローを取り上げて、その良い面しか見せてないように見えるんです。それだと実際には役に立たない気がするんですね。

エントランス部分。小さく音楽が流れ、「オフィス」とは程遠い空間が広がる。

エントランス部分。小さく音楽が流れ、「オフィス」とは程遠い空間が広がる。

大矢:よく〈みどり荘〉はフィルター越しに見られるんですよ。「あそこで働いてる人はクリエイティブで……」って。でも「クリエイティブって何だろう?」っていつも思うんですよね。

小柴:もっとみんな泥臭いもんね。

大矢:うん、泥臭い。取材してみるとすごく重たいインタビューもあるもんね。

小柴:そういう部分もきちんと届けたいと思っています。

読者も参加できる
クラウドファンディングの活用法

──今回、クラウドファンディングで印刷代を募っていますよね。このサービスを利用しようと思われた理由は?

清田:まずは告知の手段として有効だったことがありますね。事前に読者も確保できますし、何より、その製作の過程がコンテンツになるのが面白いなあと。

小柴:チケットを細かく設定できるのもいいよね。

大矢:うん。「〈みどり荘2〉で働ける」っていうチケットもあるので、実際にどういう雰囲気で自分の仕事を作っていってるかを感じてもらうこともできるし。

クラウドファンディングには〈みどり荘〉のメンバーでもある「Motion Gallery」を利用。

クラウドファンディングには〈みどり荘〉のメンバーでもある「Motion Gallery」を利用。

清田:なるべく製作に参加できるようにしようっていうのは考えました。売る権利、取材に行ける権利、編集会議に参加できる権利……。

小柴:本を卸す権利もあるもんね。こないだ編集会議したら「文字起こしやります!」って仰ってくれた方がいて。

清田:そう。だからぼくたち、お金をもらって仕事をしてもらっているという(笑)。

大矢:(笑)、新しいよね。

──払って働く。それは新しいですね。

小柴:あ、でもクラウドファンディングで募集してるのは印刷代だけなので、もし利益が出たら還元したいねという話もしています。

清田:スタートラインまでサポートしてもらって、そこから先は関わった人たちでシェアできたら理想ですよね。コミットしてくれた人にちゃんとお金が入る仕組みが作れたらいいなと思うんです。

大矢:投資っていう感覚に近いのかな。

小柴:普通に本を買うだけじゃなかなかできない体験だよね。

自分宛の郵便はこの棚に分配される。棚にはメンバーが手がけた本やフライヤーが。

自分宛の郵便はこの棚に分配される。棚にはメンバーが手がけた本やフライヤーが。

──読者が単なる受け手に留まらず、取材できたり販売したりできるのは、クラウドファンディングならではの試みですね。出版は今後も続けていくんでしょうか。

大矢:自分たちが欲しいなと思える本を作っていきたいなっていうのはありますね。ZINEもいいんですけど、それよりもちゃんと編集して、一冊の本を作りたいです。

清田:今、マスメディアが成り立たなくなりつつあって、本も雑誌も大きな部数を刷ることが難しくなっている。その代わり、リトルプレスのような出版物がたくさん生まれている。これからは小さな規模で本を作っていく試みが増えていくと思いますね。

 

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