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杉並、朝鮮、原宿。ぬいぐるみと辿るルーツ:作品集『TROPHY』刊行 キムソンへ インタビュー

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杉並、朝鮮、原宿。ぬいぐるみと辿るルーツ:作品集『TROPHY』刊行 キムソンへ インタビュー
FEATURE
東京で起こっているハイパーローカルな動向を独自取材し、特集形式でお届け。
2015年11月12日
杉並、朝鮮、原宿。ぬいぐるみと辿るルーツ:作品集『TROPHY』刊行 キムソンへ インタビュー
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写真_下屋敷和文、取材・文_飯田ネオ
10年目で手にしたトロフィー

──今回、作品集として『TROPHY』を自費出版されましたよね。制作のきっかけはどんなところからだったんですか?

活動を始めて10周年ということで、そろそろ作品集を作りたいなと思っていたんです。最初は出版社から出す予定だったんですが、進めるうちに色々と状況が変わっていって、スポンサーになってくださる方も現れて、じゃあ自費出版にしようって。

会場で販売されている作品集『TROPHY』。通常版(4,000円)と特別版(10,000円)のふたつがある。いずれも税別。

会場で販売されている作品集『TROPHY』。通常版(4,000円)と特別版(10,000円)のふたつがある。いずれも税別。

──撮り下ろしビジュアルは市橋織江さん。今までの作品とは違う印象を受けました。

そうなんです。今までのバキッとした写真のイメージを変えたかったし、市橋さんだったら私のゴテゴテッとした作品の印象を、良い意味で変えてくれるだろうなって。前から市橋さんの写真が好きで、作品集の話が動いた時からお願いしたいと思っていたんです。出来上がった写真を見たら、思った以上に良かったですね。

──卒業アルバムのような装丁ですよね。これには何かテーマがあるんでしょうか。

これまでの10年に区切りを付けて次に向かう、という意味での「卒業」です。最初はそこまでのコンセプトはなかったんですけど、制作チームで話し合ううちに同じ方向性にまとまっていきました。それに、市橋さんに撮っていただいたトロフィーの写真がすごく印象的だったから、タイトルにしようと。10年頑張った自分にトロフィーを、という意味も込めてるんです。

会場中央、「MEDETAI Chandelier」の下にもトロフィーが光る。

会場中央、「MEDETAI Chandelier」の下にもトロフィーが光る。

「自分の国ってどこなんだろう」
自分の置き所を探した学生時代

──撮影場所に選ばれたのは、さきほどお話いただいた銭湯と、通われていた朝鮮学校ですよね。

そうです。なんとなく選んだ場所だったんですけど、偶然にも自分のルーツである朝鮮と日本を、それぞれ象徴するような場所で。最初は全く全然気づいてなかったんですけどね。

──どんな学生時代だったんですか?

学校では朝鮮語の授業があって、朝鮮の教育を受けてきたんですけど、カルチャー的なものは周りの、原宿や渋谷なんかの街からの影響が強かったですね。やっぱりファッションが好きだったから、放課後はチマチョゴリで街をウロウロして。

熊手をあしらった「MEDETAI Chandelier」が揺れる下には、朝鮮の政治家の石像が。

熊手をあしらった「MEDETAI Chandelier」が揺れる下には、朝鮮の政治家の石像が。

高校ぐらいになると、自分の置き所がないというか、日本で生まれたけど日本人じゃないし、韓国で生まれたわけじゃないし、みたいな、モヤッとした中途半端な気持ちになることもありました。「自分の国ってどこなんだろう」っていうのがずっとあって。「国なんてなくてもいいのに」って思ったぐらい。

──作品には、日本の伝統的なモチーフがたくさん使われているなと思うんですが、何か自分のルーツを探しているようなところがあるのかもしれないですね。

それはありますね。いろんなぬいぐるみをひとつに合体させるのは、もしかするとそういうところから来てるのかもしれません。

「MEDETAI Chandelier」

「MEDETAI Chandelier」

 

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