世田谷区北沢の本屋B&Bで、ノンフィクション作家・石井光太氏と毎日新聞記者の川名壮志氏によるトークイベント「少年事件を報じるということ」が開催される。日程は2018年1月13日(土)。

『43回の殺意―川崎中1男子生徒殺害事件の深層―』(双葉社)書影
これまで、国内外の貧困、災害、事件などをテーマに取材、執筆活動を行い、現場を丹念に取材したルポルタージュを発表してきた石井氏。スラムや路上に住む人々を取材した『絶対貧困』(新潮文庫)や、東日本大震災直後の遺体安置所を巡った『遺体』(同)など、多くの著書を残している。事件ルポとしては、2016年に虐待事件を扱った『「鬼畜」の家 わが子を殺す親たち』(新潮社)を刊行している。
そんな氏の最新作が、12月15日に発売された『43回の殺意―川崎中1男子生徒殺害事件の深層―』(双葉社)で、これが氏による初の少年事件ルポルタージュとなる。タイトルのとおり、本書が伝えるのは2015年2月20日に発生した、川崎中1男子生徒殺害事件だ。被害者は13歳の少年で、そして逮捕されたのもまた未成年の、17歳、18歳の未成年の3人だった。遺体には43ヶ所におよぶ傷があり、少年たちが「川崎国」という単語を用いていたことからも、社会に大きな衝撃を与えた事件である。
石井氏は、公判で明らかにされた事件経緯、被害者・加害者の生い立ち、事件報道とその狂騒が浮き彫りにした日本社会、事件現場の河川敷を訪れた1万人近くの献花・ボランティアの方々の「善意」、同じグループに所属していた少年たちの証言などから、事件を改めて捉え直した。
本イベントは、同書の刊行を記念して行われるもの。佐世保小6同級生殺害事件を追った『謝るなら、いつでもおいで』(集英社)の著者であり、毎日新聞記者でもある川名壮志氏を招き、石井氏とともにトークを行う。
どうして事件は起こったのか。少年たちを事件に駆り立てたものはなんだったのか。そして報道の姿勢はどうあるべきか、など、ふたりの視点で少年事件を語る貴重な120分。気になる方は公式サイトから早めにご予約を。会場は本屋B&B新店舗となる。
石井光太×川名壮志トークイベント「少年事件を報じるということ」
日程:2018年1月13日(土)
会場:本屋B&B
場所:世田谷区北沢2-5-2 ビッグベンB1F ※新店舗での開催
時間:19:00~21:00 (18:30開場)
料金:1500円(+1ドリンクオーダー)
URL:http://bookandbeer.com/event/2018011302_bt/
[プロフィール]
■石井光太
いしい・こうた。ノンフィクション作家。1977年、東京都生まれ。国内外の貧困、災害、事件などをテーマに取材、執筆活動をおこなう。著書に『神の棄てた裸体』『絶対貧困』『遺体』『浮浪児1945-』(新潮文庫)、『感染宣告』(講談社文庫)、『物乞う仏陀』『アジアにこぼれた涙』(文春文庫)など多数。事件ルポとして虐待事件を扱った『「鬼畜」の家 わが子を殺す親たち』(新潮社)がある。
■川名壮志
かわな・そうじ。毎日新聞記者。1975年、長野県生まれ。2001年毎日新聞社入社。初任地の長崎県佐世保支局で「佐世保小6同級生殺害事件」に遭遇。被害少女は上司である佐世保支局長の娘だった。事件から約10年にわたり取材を続けてまとめた著書に『謝るなら、いつでもおいで』(集英社)がある。少年事件や犯罪被害者の取材を続ける。近著に『密着 最高裁のしごと』(岩波新書)。