中央区銀座の資生堂ギャラリーで現代美術を中心に、次なる社会を創造するアーティスト、THE EUGENE Studioの個展「1/2 Century later.」が開催中。会期は12月24日(日)まで。

「Agricultural Revolution 3.0」,Installation view,mixed media,2016
THE EUGENE Studioは、チームラボなどとともに世界が注目する日本のアーティストチームとして脚光を浴びており、その活動は現代美術を中心としながら21世紀のアーティスト像を確立しようとしている。これまでも過去の未来像に対比させ、現在の「私(たち)」が現実とのつながりの中で作り出すことのできる新しい鮮やかな未来像を思索し続けてきた。

「August Room in”Today’s Film”」,Installation View,Photographic film 2015
本展でTHE EUGENE Studioがモチーフとして掲げているのは、展覧会を終えるとともにちょうど「半世紀」が経過することになる「1968年」というキーワード。1968年は、スタンリー・キューブリックの映画「2001年 宇宙の旅」や、映画「ブレードランナー」の原作となったSF小説「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」(フィリップ・K・ディック)が発表された年であり、科学とテクノロジーの発展によって描かれた象徴的な未来像が決定づけられた年ともいえる。

「Mr.Tagi’s Room」,Installationview,Plastic,Photo,Wool,Acrylic,Cypraea,etc 2013

「somewhere,somebody became a star」,Installation view,Plant,Glass,Paper,Print,Books,Wood,Wool,Still photo,Plaster,etc
来年はそんな1968年から、半世紀が経過した2018年。本展では、タイトルの「1/2 Century later.」、つまり「あれから半世紀(あるいはこれから半世紀)」を主題とした未発表のインスタレーションも展示。会場には、「過去の物語で描かれた未来像の遺産」をモチーフとしたガラス張りの大型インスタレーションや、THE EUGENE Studioが描く未来としてバイオテクノロジーと農業が融合した穏やかな生活を描いた平面作品、本展の中心ともいえるソーシャル時代の構造を採り入れ、新たなグローバリゼーションへの期待を告げる作品など、次の新たなる未来を反映する作品群が立ち並ぶ。

「Agricultural Revolution 3.0」,Installation view,mixed media,2016
その世界観とスペクタクルな展示空間の中で新しい社会と響き合う感情を体感し、21世紀の科学とテクノロジーの進展とともにアートによって照らし出された新たな未来の価値を感じとってみてほしい。

「After the War」,Web,Happening projection.Dimensions variable,2015
1/2 Century later.
会期:2017年11月21日(火)〜12月24日(日)
会場:資生堂ギャラリー
場所:中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階
時間:11:00~19:00 (日・祝)11:00~18:00
休廊:月曜日(月曜日が祝日にあたる場合も休館)
料金:無料
URL:http://www.shiseidogroup.jp/gallery/?rt_pr=tr950
問い合わせ:03-3572-3901
主催:株式会社 資生堂
展示協力:ザ・ユージーン・スタジオ株式会社
協賛:株式会社ゴールドウイン、NEUTRALWORKS
協力:Object of Null、Scovil Galen Ghosh Literary Agency.、植原亮輔(本展グラフィックデザイン)
[関連イベント]
■ギャラリートーク
若林恵(WIRED 日本版 編集長)✕岩渕貞哉(美術手帖 編集長)✕Eugene Kangawa(THE EUGENE Studio)
日程:2017年12月9日(土)
時間:14:00〜16:00
会場:花椿ホール(資生堂銀座ビル3階)
料金:無料
定員:100名 (申し込み多数の場合は抽選、申込みは資生堂ギャラリーウェブサイトにて)
お問い合わせ:03-3572-3901(資生堂ギャラリー)
[プロフィール]
■THE EUGENE Studio
THE EUGENE Studio (ザ・ユージーン・スタジオ)は日本を拠点に、スクリプト、脚本を中核としたインスタレーションや平面、映像作品などを手がける。過去にサーペンタインギャラリー(ロンドン)でのプロジェクトや国内での個展、近年ではアメリカ三大SF賞受賞の小説家ケン・リュウとの共同制作のほか、人工知能や都市、バイオテクノロジー領域の共同研究に招聘されるなど、その活動は国内外で評価されています。創業者のEugene Kangawaは1989年アメリカ生まれ。
http://the-eugene-studio.com/