新宿区新宿の新宿眼科画廊で、Nukeme氏とGraphersRock氏による合作展「Dear Supreme, Dear PLAY」が開催される。会期は2017年6月9日(金)から6月14日(水)まで。

「Dear Supreme, Dear PLAY」キービジュアル

「Dear Supreme, Dear PLAY」キービジュアル
洋服を根本的なメディアでありコミュニケーションツールと捉え、洋服をベースとした作品を主に制作するNukeme氏。「NUKEMECAPS」やUcnv氏とコラボレーションした「Coat by Nukeme and Ucnv」のように、自らの作品表現を身近なファッションアイテムに落とし込むため、それらを実際に身にまとうことができるのも大きな魅力といえる。

「Dear Supreme, Dear PLAY」より

「Dear Supreme, Dear PLAY」より

「Dear Supreme, Dear PLAY」より
今回ともに作品を制作するのは、グラフィッカーのGraphersRock氏。アートディレクター岩屋民穂氏のグラフィッカー名義で、サイバーパンクやテクノカルチャーをバックグラウンドに持ちながらグラフィックワークを展開している。
本展は、元々GraphersRock氏が私物として持っていた、ファッションブランド〈Supreme〉のキャップのカスタムをNukeme氏に依頼したことからスタートしたという。
90年代のストリートカルチャーやクラブカルチャーに多大な影響を受けてきたGraphersRockは、特に思い入れの強いブランドとしてSupremeを挙げています。その愛の強さゆえ、昨今のSupremeを取り巻く、一種過剰とも言える盛り上がりに疑問を持っていたと言います。この状況への一つの抵抗として、既存のロゴを刺繍データのグリッチによって変容させるNukemeの作品を経由し、現代の自分のリアリティを表明しようとしたことが、今回の展示のきっかけとなっています。さらに、Nukemeがファッションデザイナーを志すきっかけの一つとなったブランドである、COMME des GARÇONSのPLAYを加えることで、2人のそれぞれのブランドに対する、ある種の愛情表現が、今回の展示作品へと結実していきました。(公式サイトより)

「Dear Supreme, Dear PLAY」より

「Dear Supreme, Dear PLAY」より
〈Supreme〉の新作発売日には、その希少な商品を求めて開店前から長蛇の列ができる。ふたりは、本展の作品制作のために、実際に正規店に早朝から並び、商品を購入したという。
こうしたフィールドワークから得られた体験が、どのように作品に反映されているのか。ぜひ確かめてみてほしい。
〈Statement〉
90年代のストリートカルチャーに強く影響され、それを引きずるような 気持ちでずっとSupremeのキャップをかぶっていた。そんな思いの中、昨今のSupremeを取り巻く雰囲気に違和感を感じ、キャップのコレクションをヌケメ君に預け、グリッチ刺繍を施してもらったことが今回の展示のきっかけとなっている。ブランドを身につけるということが自分の態度を表し、内面を具現化する1つの行為でならば、Supremeに敬意を払いつつも少し違った角度でキャップをかぶり続けたいという思いからだ。これは純粋なファンアートだ。SupremeもPLAYも心から愛している。————– Tamio Iwaya(GraphersRock)企業のロゴやアイコンにグリッチをかける作品を作っていると、「(その)企業の姿勢を批判している」と捉えられることがよくあるけど、単にそういうことでもなくて、逆に、もし批判を目的にモチーフを選びだすと、ストレートすぎてつまらなくなるだろうなと思っている。ロゴが持っている文脈をある程度把握してないと、作品化することは難しいし、リアリティが無くなってしまう。結局のところ、特に今回は自分たちの「思い入れ」があるもの、としてSupremeとPLAYを選んだわけで、そういう意味で「Dear」というタイトルがつけられてよかったと思っている。——————— Nukeme

GraphersRock氏近影

Nukeme氏近影
「DearSupreme, DearPLAY」
Nukeme & GraphersRock
会期:2017年6月9日(金)~6月14日(水)
時間:12:00~20:00(最終日 ~17:00)
会場:新宿眼科画廊
場所:新宿区新宿5-18-11
休廊日:木
URL:https://www.gankagarou.com/s201706dsdp
[プロフィール]
■Nukeme
1986年生まれ、東京在住。洋服を根本的なメディアでありコミュニケーションツールであると捉え、洋服を支持体とした作品を主に制作する。他分野の作家との共同制作による作品が多い。ミシンの作動データにグリッチを発生させる『グリッチ刺繍』が2012年に第16回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門審査委員会推薦作品に選出。同作品でARS ELECTRONICA 2013 に出展、作品展示とワークショップを行った。
https://cargocollective.com/nukeme
■GraphersRock
アートディレクター岩屋民穂によるグラフィッカー名義。サイバーパンクやテクノカル チャーをバックグラウンドに、音楽からファッション、アニメーション、広告、メディアまでジャンルレスにグラフィックワークを展開し、日本のポップカルチャーのデザインを牽引している。2016年に発表されたプーマとのコラボレーション「PUMA x GraphersRock」は、世界中のメディアの注目を浴びた。
http: //www,graphersrock.com/