港区南青山のTOTOギャラリー・間で、建築家・坂茂氏の1999年以来18年ぶり、2回目となる個展「坂 茂:プロジェクツ・イン・プログレス」が開催される。会期は2017年4月19日(水)から7月16日(日)まで。

ラ・セーヌ・ミュジカル(フランス、パリ近郊/2017) 設計:Shigeru Ban Architects Europe © Nicolas Grosmond (公式ページより)
世界中で建築の設計に携わる一方で、災害支援として紙管を構造体に使ったシェルターや仮設住宅などを提案し続けてきた坂氏。2014年には災害支援と多方面に及ぶ建築活動が高く評価され、「プリツカー賞」を受賞。さらに今年はフランス・パリ郊外に文化施設「ラ・セーヌ・ミュジカル」のオープンを控えている。

スイス時計会社本社(スイス、ビール/ビエンヌ/進行中)設計:坂茂建築設計/Shigeru Ban Architects Europe © Didier Ghislain (公式ページより)
本展では世界各地で現在進行中のプロジェクトを紹介。坂氏のこれまでのキャリアの中で最大規模となる「ラ・セーヌ・ミュジカル」のコンペから完成までのプロセスに加え、最新建築の模型や資料が展示される。その他、本展が初披露となる複数のプロジェクトの進行状況についても、模型や映像などを用いて紹介。今、改めて「木」という素材の特長や可能性に注目し、木造の屋根、壁面など、ダイナミックなプロジェクトに挑戦しているという坂氏の姿勢から、従来にはない環境性能や居住性の可能性を感じとることができるだろう。

富士山世界遺産センター(日本、静岡県富士宮市/進行中)設計:坂茂建築設計 © 坂茂建築設計 (公式ページより)
会期初日の4月19日には、坂氏による講演会「坂 茂:作品づくりと社会貢献の両立」が東京・有楽町朝日ホールで開催される。参加受付はTOTOギャラリー・間のオフィシャルサイトで発表中だ。
坂 茂:プロジェクツ・イン・プログレス
会期:2017年4月19日(水)〜7月16日(日)
時間:11:00~18:00
休廊:月曜および5月2日(火)~5日(金・祝)ただし4月29日(土・祝)は開館
会場:TOTOギャラリー・間
場所:港区南青山1-24-3 TOTO乃木坂ビル3F
入場:無料
URL:http://www.toto.co.jp/gallerma/ex170419/index.htm
[関連イベント]
■坂茂講演会「坂 茂:作品づくりと社会貢献の両立」
日程:2017年4月19日(水)
時間:18:30〜20:30(開場17:30)
会場:有楽町朝日ホール
場所:千代田区有楽町2-5-1有楽町マリオン 11F
定員:758名(要事前申込)
参加費:無料(本展の観覧券が必要)
参加方法:公式サイトにて発表
[プロフィール]
■坂茂
1957年東京生まれ。1984年クーパー・ユニオン建築学部(ニューヨーク)を卒業。1982~1983年磯崎新アトリエに勤務。1985年坂茂建築設計を設立。1995~1999年国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)コンサルタント、同時に1995年災害支援活動団体 ボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク (VAN)設立。主な作品に「カーテンウォールの家」(1995)、「ハノーバー国際博覧会日本館」(2000)、「ニコラス・G・ハイエック・センター」(2007)、「ポンピドー・センター - メス」(2010)、「大分県立美術館 OPAM」(2014)などがある。これまでに、フランス建築アカデミー・ゴールドメダル(2004)、アーノルド・W・ブルーナー記念賞建築部門世界建築賞(2005)、日本建築学会賞作品部門(2009)、ミュンヘン工科大学 名誉博士号(2009)、フランス国家功労勲章オフィシエ(2010)、オーギュスト・ペレ賞(2011)、芸術選奨文化部科学大臣賞(2012)、プリツカー建築賞(2014)、フランス芸術文化勲章コマンドゥール(2014)、朝日賞(2015)、JIA日本建築大賞(2016)など数々の賞を受賞。2001~2008年まで、慶応義塾大学環境情報学部教授。2010年ハーバード大学GSD客員教授、コーネル大学客員教授、2011年より京都造形芸術大学教授。2015年より慶応義塾大学環境情報学部特別招聘教授を務める。http://www.shigerubanarchitects.com/