20世紀および21世紀を代表するアーティスト、デイヴィッド・ホックニーの個展「The Yosemite Suite」が、中央区日本橋の西村画廊にて開催されている。会期は2016年11月12日(土)まで。

David Hockney “Yosemite Ⅰ, October 16th 2011” 2011 iPad drawing printed on four sheets of paper, mounted on four sheets of Dibond Edition of 12, 197 x 177 cm over all
50年以上にわたるキャリアの中で、新しいスタイルの絵画を数多く生み出し、既成の美術を大きく更新してきた、現代において最も影響力を持つアーティストのひとりであるホックニー。近年はiPhoneやiPadによるドローイングなどに取り組んでおり、79歳になった現在でもアートの新たな地平を切り開いている。
本展で紹介されるのは、彼が2010〜2011年にカリフォルニアのヨセミテ国立公園を訪れて制作した作品群。iPadのタッチスクリーンをキャンバスに描かれたドローイングの数々は、雄大な山々に抱かれた清澄な自然の息づかい、深く豊かな森の密度、光の繊細な移ろい、観光客の雑踏など、作家が目の前にした美しい場面のきらめきを我々にありありと感じさせる。また、ブライダルベール滝、エル・キャピタン、ハーフ・ドームなど、同地の有名なスポットがホックニーの視点を通して描かれているのも見所のひとつだ。

David Hockney “Untitled No.6” from “The Yosemite Suite” 2010 iPad drawing printed on paper, Edition of 25, 94 x 71 cm

David Hockney “Untitled No.22” from “The Yosemite Suite” 2010
iPad drawing printed on paper, Edition of 25, 94 x 71 cm
これらはプリント作品におけるホックニーの最新の仕事のひとつで、ロンドンのロイヤル・アカデミー・オブ・アーツや、サンフランシスコのデ・ヤング美術館で出品され、2016年11月から開催されるメルボルンのヴィクトリア国立美術館での個展にも展示される予定だ。Dibond(アルミ複合板)にマウントされた4枚のシートから成る大作1点と、94×71cmの1枚のシートに出力された24点、計25点のiPadドローイングを初公開。現代の鬼才が見せる新たな展開を目の当たりにしよう。
なお、町田市立国際版画美術館でも版画約150点を集めた個展が開催されているので、こちらも合わせてチェックしたい。
The Yosemite Suite
会期:2016年10月1日(土)〜11月12日(土)
時間:10:30〜18:30
会場:西村画廊
場所:中央区日本橋2-10-8 日本橋日光ビル9F
休廊日:月日祝
URL:http://www.nishimura-gallery.com/exhibition/2016/1610_hockney/hockney2016.html