渋谷区神宮前にある「ギャラリーターゲット」で、写真家・映画監督のラリー・クラークの展覧会「TOKYO 100」が開催される。会期は2016年9月23日(金)から9月30日(金)まで。

公式サイトより
『タルサ』(1971年)、『ティーンネージラスト』(1983年)といった写真集、そして『KIDS』(1995年)、『BULLY』(2001年)、『Ken Park』(2002年)、『Wassup Rockers』(2005年)などの映画を手がけてきたラリー・クラーク。ストリートに息づくユースカルチャーを独自の視点で描いた彼の作品は、世界中のフォトグラファーや映画作品、ファッション業界にも多大な影響を与えてきた。
2013年に「LARRY CALRK 100」としてニューヨークでスタートした本展は、以降ロンドンやロサンゼルスを経て、今回初の東京開催となる。『KIDS』のテリー役で鮮烈なデビューを果たした、俳優でギャラリストでもあるレオ・フィッツパトリックが本展覧会のキュレーターを務めている。
この展覧会の大きな特徴は、これまでラリーが撮りためたスナップショットを展示し、各15,000円で販売するという点だ。

公式サイトより
展示・販売されるのは、1992年から2010年までの間に発表した、数々の作品のロケーションで撮り下ろした多くのスナップショット、そして〈Supreme〉のカレンダー撮影で撮り下ろした貴重なポートレートやセルフポートレートなど。
73歳になったラリーは、「この展覧会は今まで何度も自分の展覧会に来てくれ1万ドルや1.5万ドルするプリントを買えなかったファンの子達へ、これはスケーターやコレクター達へのお土産や記念品とし、自分がハッピーに死ぬためのお返しなんだ」と言う。美術館へのアーカイブ寄付やオークションで売るのではなく、今までのキャリアを支えてきてくれた多くのファンや友人に持ってもらおう、という自身の熱い思いからスタートした展示なのだ。

公式サイトより
「TOKYO 100」では、大きな木製のクレートをギャラリーの中央に設置し、中に写真を積み上げる予定だという。作品は主に、薬局や1時間プリントでラリー自身がプリントをしたもので、いずれも102×152mm(4×6)のカラープリント。

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メトロポリタン美術館やニューヨーク近代美術館をはじめとした、世界中の名だたる美術館にコレクションされているアーカイブ作品を間近で見ることができる本展。さらにはそのアーカイブを実際に購入し、自宅に飾ることができる。世界を魅了したラリー・クラーク作品の新たな側面を知る、貴重な機会となりそうだ。
LARRY CLARK「TOKYO 100」
会期:2016年9月23日(金)〜9月30日(金)
時間:12:00〜19:00 ※会期中は日曜日も開廊
会場:ギャラリーターゲット
場所:渋谷区神宮前2-32-10
URL:http://gallery-target.com/larry-clark-%E3%80%8C100%E3%80%8D/
[プロフィール]
■ラリー・クラーク
1943年タルサ(オクラホマ州)に生まれる。ニューヨークとロサンゼルスに拠点を置く。1995年に初めてのフィーチャーフィルム「キッズ」をカンヌ映画祭にて発表し大きな評価を得る。その後「アナザー・デイ・イン・パラダイス」(1998)、「ブリー」(2001)、「ケン・パーク」(2002)、「ワサップ!」(2005)をリリースする。近年にはフィーチャーフィルム「マーファ・ガール」を2012年11月にクラークのウェブサイトからリリース。この作品は第7回ローマ映画祭にてゴールデン・マルクス・ アウレリウス賞を受賞。近年の作品に「スメル・オブ・アス」(2014)がある。写真家としてクラークの作品は世界各都市のメジャーな美術館、メトロポリタン美術館、ニューヨーク近代美術館、サンフランシスコ近代美術館、ピナコテーク・デア・モデルネなどに収められている。主な個展に2012年「ラリー・クラーク」ブランツ写真美術館(オーデンセ/デンマーク)、「ラリー・クラーク」COベルリン(ベルリン/ドイツ)、2010年に「ラリー・クラーク:Kiss the Past Hello」パリ市立近代美術館(パリ/フランス)、2009年に「ラリー・クラーク レトロスペクティブ」ウジャドゥスキー城現代美術センター(ワルシャワ/ポーランド)がある。
■レオ・フィッツパトリック
1978年モントクレア(ニュージャージー州)に生まれる。14歳の時にニューヨークのワシントンスクエアパークでスケートしている際にクラークと出会い「キッズ」(1995)で俳優としてデビューする。以後「ブリー」(2001)、「ブラインド・ホライズン」(2004)、「フローズン・ドリーム」(2009)また「 ザ・ワイヤー」(2002-2004)、「キル・ポイント」(2007)などテレビドラマでも活躍。現在はアーティストそしてギャラリーのディレクターとして活動(をはトル)している。アーティストとしてはニューヨークのハーフ・ギャラリーで個展を開催。2012年にロウアー・イーストサイドにアーティストであり友達でもあるネイト・ローマンとホーム・アローン2をオープン。そこでLARRY CLARK 100を開催。2015年にはチェルシーのマルボロ・ギャラリーのディレクターに就任。