港区六本木にある森美術館で「宇宙と芸術展」が開催される。会期は2016年7月30日(土)から2017年1月9日(月・祝)まで。

ヴォルフガング・ティルマンス「金星の日面通過」(2012年/紙にインクジェットプリント/約44×33cm/所蔵:ワコウ・ワークス・オブ・アート)
宇宙は古来、人間にとって永遠の関心事であり、また信仰と研究の対象として、世界各地の芸術の中で表現され、多くの物語を生み出してきた。
本展では、隕石や化石、レオナルド・ダ・ヴィンチやガリレオ・ガリレイ等の歴史的な天文学資料、曼荼羅や日本最古のSF小説ともいえる「竹取物語」、そして現代アーティストによるインスタレーションや、宇宙開発の最前線に至るまで、古今東西ジャンルを超えた多様な出展物約200点を一挙に公開する。

「両界曼荼羅」(鎌倉時代 14世紀/双幅、絹本着色/各235.5×197.2cm/所蔵:三室都寺、京都)

岡吉国宗「流星刀」(1898年/隕鉄/刃長 68.6cm 反り 1.5cm/所蔵:東京農業大学図書館/撮影:木奥惠三)

スペース・エクスプロレーション・アーキテクチャ・アンド・クラウズ・アーキテクチャ・オフィス「マーズ・アイス・ハウス」)2015年/3Dプリント模型、台座に内照ライト、映像/作家蔵/画像提供:Clouds AO/SEArch)
会場は「人は宇宙をどう見てきたか?」、「宇宙という時空間」、「新しい生命観―宇宙人はいるのか?」、「宇宙旅行と人間の未来」の4つのセクションで構成されている。過去から現在まで、変容してきた人類の宇宙観を踏まえながら、現在解明されている宇宙の全容、そして宇宙開発の進む未来はどうなっていくのかを、貴重な資料とともに掘り下げていく。

チームラボ「追われるカラス、追うカラスも追われるカラス、そして衝突して咲いていく – Light in Space」
インスタレーションとしては、チームラボによる作品「追われるカラス、追うカラスも追われるカラス、そして衝突して咲いていく – Light in Space」や、セミコンダクター「ブリリアント・ノイズ」が展示される。また、エアロスミスのアルバム「Just Push Play」のアルバムジャケットに使用された、空山基の作品「セクシーロボット」も登場する。

空山 基「セクシーロボット」
グッズも充実している。展示資料のひとつ「小笠原越中守知行所着舟」(万寿堂編)に登場するUFOによく似た「うつろ舟」をモチーフにした、「うつろ舟 どんぶり」(2916円)は、UFOファン垂涎のアイテムだ。

「うつろ舟 どんぶり」(2916円)。このほかに水筒も。

「小笠原越中守知行所着舟」(万寿堂編)中の、うつろ舟が登場する場面。
そのほか、宇宙服に付いているワッペンをオリジナルで制作した「ミッションワッペン」(918円)や、前述の「セクシーロボット」のトートバッグ(3780円)なども取り揃える。

「ミッションワッペン」(918円)

「セクシーロボット」グッズ各種。
また、会場内で貸出される音声ガイド(解説時間 約35分、貸出料金・税込み550円)のナビゲーターを務めるのは、タレント・デザイナーの篠原ともえ氏。学生時代に天文部に所属し「宙ガール」としても知られる篠原氏による音声解説にも注目だ。なお、チームラボ作品の解説は代表取締役の猪子寿之氏が解説をおこなうという。

(左)猪子寿之氏、(右)篠原ともえ氏。
宇宙と人類の関わりを、芸術の側面から紐解くスペシャルイベント。長期展示となっており、関連イベントも多数行われる予定だが、まずはスタートのこの夏、ぜひ会場へ足を運んでもらいたい。
宇宙と芸術展:かぐや姫、ダ・ヴィンチ、チームラボ
会期:2016年7月30日(土)〜2017年1月9日(月・祝)
会場:森美術館
場所:港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53F
開館時間:10:00〜22:00|火10:00-17:00
*いずれも入館時間は閉館時間の30分前まで *会期中無休
入館料: 一般1,600円、学生(高校・大学生)1,100円、子供(4歳~中学生)600円
*表示料金に消費税込
*展望台 東京シティビュー、屋上スカイデッキへは別途料金。
問い合わせ:03-5777-8600(ハローダイヤル)
URL:http://www.mori.art.museum/contents/universe_art/
■7月29日(金)まで発売中の前売り券情報
展覧会公式ミッションワッペン セット券:
料金:一般2,000円、学生(高校・大学生)1,600円、子供(4歳~中学生)1,100円
※本展のオリジナル「ミッションワッペン」(非売品)1個がセットになった前売り券
※1,000枚限定(売切れ次第終了)*商品は展覧会特設ショップにてお渡し。
[関連イベント]
■トークセッション「知と宇宙観をめぐる旅」※日英同時通訳付
天動説が主流であり、望遠鏡のない時代、レオナルド・ダ・ヴィンチがすでに天文学に興味を抱いていたことを、本展に出展されるアトランティコ手稿から知ることができる。アトランティコ手稿を所蔵するアンブロジアーナ図書館・絵画館のアルベルト・ロッカ氏にその来歴について伺うとともに、科学の貴重な初版本を所蔵し、研究する金沢工業大学ライブラリーセンターの竺覚暁氏を迎え、宇宙科学が発達する以前の宇宙観について語り合う。
出演:アルベルト・ロッカ(アンブロジアーナ図書館・絵画館館長)
竺 覚暁( 金沢工業大学ライブラリーセンター館長)
モデレーター:南條史生(森美術館館長)
日時:2016年7月30日(土)14:00〜16:00 (開場:13:30)
会場:森美術館オーディトリアム
定員:80名(要予約) 料金:無料(要展覧会チケット)
■アーティストトーク ※日英同時通訳付
出展アーティストが、自作と宇宙との関係性について語る。
出演:ビョーン・ダーレム、セミコンダクター、ジア・アイリ(贾蔼力)、パトリシア・ピッチニーニ、マリア・グルズデヴァ ほか
日時:2016年7月30日(土)18:00〜20:00(開場:17:30)
会場:森美術館オーディトリアム
定員:80名(要予約)
料金:無料(要展覧会チケット)
■シンポジウム 「科学者と読み解く『宇宙と芸術展』」※日英同時通訳付、手話同時通訳付
宇宙時代に突入した現代、人と宇宙の関係は大きく変化しています。これにより、宇宙とはなにか、芸術とはなにかという問いにも新たな視点が求められてくる。人はどのように宇宙を認識し、芸術はどのように変貌していくのか。宇宙工学、天文学の専門家、アーティストを迎え、本展をそれぞれの視点から読み解く。
出演:的川泰宣(宇宙航空研究開発機構(JAXA)名誉教授)、渡部潤一(国立天文台副台長)、野村 仁(アーティスト)、猪子寿之(チームラボ代表)
モデレーター:南條史生(森美術館館長)
日時:2016年8月20日(土)14:00–16:00 (開場:13:30)
会場:アカデミーヒルズ(六本木ヒルズ森タワー49階)
定員:150名(要予約) 料金:一般3,500円、MAMCメンバー無料
※当日プログラム参加者の方に展覧会チケット1枚を授与。
主催:森美術館、アカデミーヒルズ
■トークセッション「芸術のなかの宇宙観」 ※日本語のみ
仏教の世界観を描いた曼荼羅図は、宇宙の真理を表わすとも言われている。仏教絵画史の専門家である泉武夫氏、空海から現代アートまで造詣の深い篠原資明氏を迎え話を聞くとともに、そのミニマルな作品が現代の曼荼羅を想わせる向山喜章氏、神秘思想などを自身の体験に基づいて表現する前田征紀氏を交え、時代を超えて人の心に宿る宇宙観と芸術について語り合う。
出演:泉 武夫(東北大学大学院文学研究科教授)
篠原資明(高松市美術館館長、京都大学名誉教授)
向山喜章(アーティスト)、前田征紀(アーティスト)
モデレーター:椿 玲子(森美術館アソシエイト・キュレーター)
日時:2016年10月4日(火)19:00-21:00 (開場:18:30)
会場:森美術館オーディトリアム 定員:80名(要予約) 料金:無料(要展覧会チケット)
■サマーナイト・ミュージアム「 “宇宙と芸術展”と“ 星空”をみよう!」※日本語のみ
夜の森美術館を貸し切り、「宇宙と芸術展」を美術館スタッフと一緒に鑑賞して、星に関する専門家からの話を聞いたあと、森タワーの屋上スカイデッキから星空を観察。夜のミュージアムで、宇宙のふしぎと芸術についてに想いをはせてみては。
出演:高梨直紘(東京大学エグゼクティブ・マネジメント・プログラム特任准教授/天文学普及プロジェクト「天プラ」代表)
日時:2016年8月9日(火) 18:00-21:00 (開場:17:30)
会場:森美術館オーディトリアム、東京シティビュー 「スカイデッキ」
対象:小学生~中学生 定員:40名(要予約、抽選)
料金:無料(要展覧会チケット及びスカイデッキ入場料)
※「星空観察会」は天候により中止の可能性あり。その場合、スカイデッキ入場料( 大人500円、小学生300円)は不要。
※ 夜のプログラムのため要保護者同伴。
■星のおはなしとワークショップ「天体望遠鏡をつくろう」 ※日本語のみ
「宇宙と芸術展」を鑑賞して、月のクレーターや土星のリングも見える本格派天体望遠鏡をつくる。組み立てから使い方、星空の見どころまでを天文の専門家がわかりやすく教える。
日時:2016年8月26日(金) 17:00-20:00 (開場:16:30)
会場:森美術館オーディトリアム、東京シティビュー 「スカイデッキ」
対象:小学生~中学生 定員:40名( 要予約、抽選)
料金(税込):3,000円(材料費) ※別途、展覧会チケット及びスカイデッキ入場料が必要です。
監修:天文学普及プロジェクト「天プラ」
※「星空観察会」は天候により中止の可能性があります。その場合、スカイデッキ入場料( 大人500円、小学生300円)は不要。
※ 夜のプログラムとなるため要保護者同伴。
※出演者は予告なく変更になる場合あり。
※その他、ギャラリートーク、ワークショップ、学校プログラム、ファミリープログラム、アクセスプログラムなどを多数予定。