ロンドン在住の映画監督、木村太一氏の短編映画『LOST YOUTH』が完成し、世界最大の配信サイト「BOILER ROOM」の初の映画配給による全世界配信が決定した。
これを記念したワールドプレミアが、2016年7月15日(金)22時から開催される。「BOILER ROOM」と「DOMMUNE」のコラボレーションによるもので、それぞれのウェブサイトからストリーミング配信され、誰でも視聴できる。
木村氏は映画監督を目指して12歳で単身渡英し、ロンドンの「Central Saint Martins College of Art and Design(セントマーチンズ)」と「London College of Communication(LCC)」で学んだのち、現在は映像ディレクターおよびプロデューサーとして活躍している。また木村氏は、本作をプロデュースするクリエイティブチーム「CEKAI(セカイ)」のメンバーでもある。
2015年に制作した「GRADES」のミュージックビデオ「KING」では、小学4年生(当時)の天才ダンサー高巣来華氏のダンスとアニメーターらっパル氏のアニメーションを組み合わせて大きな話題を呼び、イギリス最大のミュージックビデオアワード「UK MUSIC VIDEO AWARD」で最優秀ダンスミュージックビデオにノミネートされた。
また「Chase & Status」のミュージックビデオでは、ショートフィルム的な手法を用いた映像も手がけている。
本作は、映像クリエイティブ・チーム「CAVIAR(キャビア)」とクリエイティブチーム「CEKAI」によって制作されたものだ。概要は、以下プレスリリースを引用して紹介する。
『LOST YOUTH』は、実際に起こった出来事・事件に基づき、今まで描写がされていなかった本当の東京を、木村監督の独自の視点で描く新感覚ショートフィルム。ヒップホップに生きる少年、自分の存在理由を問いかける精神不安定な少女、信じるものを失い、新宗教に洗脳される若者達など色々な状況下で生きている都会の若者達、そして全てを見ている神の存在。渦を巻く闇の螺旋の先に待ち受ける最後とは。。。メインのキャラクター達のストーリーは、 実際に起こった出来事・事件に基づいて描かれ、監督自ら長年採集した東京の裏話を実写化している。リアリズム追求した今作品は、役者に拘らず実際の状況下に置かれている人間に役を与えるなど、実験的な要素も多く含み、チャレンジした意欲作品となっています。
今回のワールドプレミアでは、映画だけでなく「YENTOWN」のライブパフォーマンスも予定されている。

YENTOWN
7月後半にはイギリスでのプレミアも決定しており、その後順次メディアに公開予定だという。以下、「『LOST YOUTH』を作ろうと思った理由」として木村氏のコメントが寄せられているので、視聴の前後にぜひ一読してみてほしい。
今回この作品を作ろうとした動機として、「海外の視点から見た、東京に対する描写」に大きな影響を受けました。12歳からロンドンで生活している私の目にも、「東京」という街は私の「故郷」でありながら、 どこか遠くの世界の出来事の様に美しく、眩く、そしてとても不思議に思うことが多くあります。 昨今の海外のアーティスト達がこぞって東京独自のカルチャーに興味を示し、そして評価をした上で 自分たちの作品に還元しているなど、「東京」というカルチャーが彼らのクリエイティブに大きな影響を与えていることは 間違いありません。しかし、使われているロケーションや設定といった構成要素がリピートされ始めており、海外の「東京」に対する イメージはとても狭く、固定的な描写となつつあるように思えます。 それは例えば「漫画」「オタク」「テクノロジー」「ネオン街」など本来マルチカルチャーであったはずの東京のシンボル達が、 皮肉にも「東京」を表すステレオタイプなアイコンとして機能し始めている気さえしています。 個人的に私はこの様な分かりやすい東京のイメージには飽きてしまいました。 「東京は眩しいだけの街では無い。」と思った私は、東京のネオン街に隠れてしまった裏の顔描くことにしました。 「LOSTYOUTH」はそんな「東京」の裏側で生きる現代の若者達を描く力作です。監督・木村太一

『LOST YOUTH』キービジュアル
LOST YOUTH x BOILER ROOM & DOMMUNE
SECRET PLACE@SHIBUYA, Tokyo
日程:2016年7月15日(金)
時間:22:00〜
配信URL:
https://boilerroom.tv/
http://www.dommune.com/
ライブパフォーマンス:YENTOWN ~Scenes from LOST YOUTH~
■木村太一
1987年東京生まれ。ロンドン在住の映像監督。映画監督を目指し12歳で単身渡英。ロンドンのCentralSaintMartinsCollegeofArtandDesign(セントマーチンズ)、LondonCollegeofCommunication(LCC)で学び、現在イギリスを拠点に映像ディレクターとして活動する。ディレクターとしてだけでなくイギリスにクリエイティブ・コレクッティブPVNTHEONを設立し、プロデューサーとしての顔も持つ。2015年に制作したミュージックビデオ・GRADESによる「KING」がイギリス最大のミュージックビデオアワード、UKMUSICVIDEOAWARDにて最優秀ダンスミュージックビデオにノミネート、VimeoによるStaffpickにも選定される。これによりイギリス国内に問わず、世界的に脚光をあびる。日本では映像ウェブ雑誌・「White-screen」やTOKYO・FMにて特集される。2015年、ロンドンで日本外務省連携のイベント「PRESENTINGJAPAN」にて日本の映像作家を代表して、「映像の進化」をプレゼンテーション。近作はヨーロッパのアリーナクラスのアーティスト、Chase&StatusのMusicVideoを監督。4話構成からなるショートフィルム感覚の実験的なMusicVideoを連続してリリース。ヨーロッパ中で大きな話題を呼んだ。またSubForcus,ChaseandStatusなどのミュージシャンと共にグラストンベリーフェスティバルをはじめとしたワールドツアーに同行、ドキュメンタリーも制作・発表している。http://www.taichikimura.com/
[作品情報]
■BOILER ROOM PRESENTS : A film by Taichi Kimura
「 LOST YOUTH 」
CAST:
Akira Koieyama
Anam Sekiguchi
Hanaco
Jun Wakabayashi
Megumu
SURX
YDizzy & YENTOWN
Yoshinori Ito
Yuya
STAFF:
Director / Writer:Taichi Kimura
Co - writer: Ryosuke Asano
Producer: Taro Mikami (CEKAI)、Takumi Kidokoro & Ore Okonedo (CAVIAR)
Production: CAVIAR & CEKAI
DoP:Rina Yang
Assistant Director:Ryosuke Asano
Focus puller:Kate Molins
Steadicam Oparator:Koji Naoi
Gaffer:Hiroyuki Ota
Sparks:Junpei Miyamoto, Moe Koyama, Buch
Best Boy:Takahiro Morooka, Naoki Sato
Sound recordist:Ryoma Ochiai
Costume: Io Takemura & Riku Oshima
Mask Design:Shunsuke Meguro
Sound Designer:Chaki Zulu , Father & Thom Yardley
Audio Mixier:Nick Olsouzidis
Editor:Wataru Nagahata
Unit Photographer:Tammy
Runner: Tomohiro YagI & Kim
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