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“生命”と“時間”を見つめる、写真家・川内倫子の大規模個展 港区のgallery916で「The Rain of Blessing」(港区)

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2016年5月20日〜2016年9月25日 港区
“生命”と“時間”を見つめる、写真家・川内倫子の大規模個展 港区のgallery916で「The Rain of Blessing」(港区)
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文_編集部

写真家・川内倫子氏の個展「The Rain of Blessing」が、港区海岸の「gallery916」で開催されている。会期は2016年5月20日(金)から2016年9月25日(日)まで。

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Untitled, from the series of “Search for the sun”, 2015 (c) Rinko Kawauchi

2002年に写真集『うたたね』、『花火』で第27回木村伊兵衛写真賞を受賞して以来、数々の著名な写真賞を受賞してきた川内倫子氏。国内はもとよりフランスやスウェーデン、ブラジルで展覧会を開くなど、ワールドワイドな活躍を見せている。2015年に展覧会を開いたウィーンの美術館「クンスト・ハウス・ウィーン」のウェブサイトでは、「現代写真におけるもっとも革新的な作家の一人」と紹介されている。

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Untitled, from the series of “The river embraced me”, 2016 (c) Rinko Kawauchi

今回の個展は、彼女の作家性を知るうえで格好の展覧会。過去の作品から最新作まで、4つのシリーズで構成されている。そのうちのひとつ「川が私を受け入れてくれた」は、今年1月に熊本現代美術館で開かれた同名の展覧会で発表された作品シリーズ。熊本で撮影した作品を展示したいという美術館の要望に応えたもので、その地に暮らす人々の記憶のなかにある熊本の景色を撮影することを川内氏が提案したという。

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Untitled, 2016 (c) Rinko Kawauchi

川内氏が写真を使って触れようとしている無意識の領域は、私たちが「生きている」「この時をすごしている」という絶対的な事実にある。氏のすべての作品に共通するのは「生命」と「時間」であり、生きものすべてに平等に与えられる時の流れを見つめている視点がそこにはある。

写真を見ながら、この「The rain of blessing(祝福の雨)」というタイトルが持つ歓喜と儚さをかみしめてみよう。最後に、川内氏が本展に寄せた言葉を以下に紹介する。

水の中は外界の音を通さず、静かな時間に身を預けて日常の瑣末なことから離れることができる。ただ黙々と身体を動かし続け、時々息継ぎをし、ターンを繰り返し、時間になったら水から出る。くぐもった音がクリアになり、身体は少し気怠く、重力のある現実世界に帰ってくる。

幼少からぜんそく持ちだった自分は、医者の勧めで7歳の頃から小学校を卒業するまでスイミングスクールへ通うようになった。当初は好きで通っていたわけではなく、その時間が来ると憂鬱だった。慣れてくる頃には泳ぎ終わるとほどよい疲れが心地よく感じるようになり、だんだん泳ぎが上達すると達成感も得られるようになった。いつのまにか泳ぐことが好きになっていた。だから東京で暮らし始めてフリーランスになった頃、プールで泳ぐ習慣ができたのは自然ななりゆきだった。東京にひとり暮らしで、先も見えないフリーランスの生活はとても不安定で、プール通いは気持ちを落ち着けるにはちょうどよかったのだろう、といまになって思う。

写真を撮影する行為はそれと少し似ている。ある場所に行き、なにかを見つけて集中し、息を止めて、あるいはひそめて、シャッターを押す。極度の集中状態が切れると途端に周囲の音が戻ってくる。まるでプールからあがったときのように。

そんなことを繰り返して作品が出来るのだが、いつも出来上がった作品を見るといろいろな気づきがある。水中から手探りで掴んできたものが地上で太陽に照らされ、光を反射して初めてその姿を確認できるように。それらはいま自分がいる世界を確認し、つぎに進むべき指針となるのだ。

──川内 倫子

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