江戸時代を代表する浮世絵師・葛飾北斎の漫画作品を紹介する展示「北斎漫画~森羅万象のスケッチ」が、渋谷区の太田記念美術館で開催される。会期は2016年7月1日(金)から7月28日(木)まで。

葛飾北斎『北斎漫画』三編:すずめ踊りをする男性の動作を一つ一つ丁寧に描写。まるでパラパラ漫画のよう。
『冨嶽三十六景』とともに葛飾北斎の名を世界中に広めることとなった絵本『北斎漫画』。55歳の時に初編を手掛けて以降、北斎のライフワークとなった作品だ。本展は、この世の森羅万象を描き尽くそうとした『北斎漫画』の魅力を紹介するものだ。

葛飾北斎『北斎漫画』三編:人魚に河童など、いるはずがない動物をリアリティー豊かに描写。

葛飾北斎『北斎漫画』五編:まるで建築の設計図。お寺の鐘楼の屋根の構造を丁寧に観察。
『北斎漫画』に描かれたさまざまな題材を、躍動、滑稽、生活、自然、動物、妖怪、建築という7つのキーワードで紹介。躍動感溢れる動きや思わず笑ってしまうふざけた人物といった北斎らしさが満載の作品はもちろん、まるで科学者のような視線で丹念に観察した自然や建築の作品など、普段はあまり紹介されることのない北斎の多彩な才能にも注目する。

葛飾北斎『富嶽百景』「鏡台不二」:昇ってきた太陽がちょうど富士山の山頂に。まばゆい朝の光が放射状に輝く。
北斎は『北斎漫画』に限らずさまざまな絵本を制作しており、北斎の画業を考える上で絵本は重要な存在。本展では、風景、人物、物語など、北斎が手掛けたさまざまな絵本を紹介いたします。肉筆画や一枚摺の錦絵は頻繁に展示されるが、絵本が展示される機会は実は少ない。北斎の絵本をまとめて鑑賞できる、北斎ファンにとっては貴重な機会になるだろう。
北斎漫画~森羅万象のスケッチ
会期:2016年7月1日(金)~7月28日(木)
休廊日:7月4日(月)、11日(月)、19日(月)、25日(月)
時間:10:30〜17:30 ※入場は閉場の30分前まで
会場:太田記念美術館
場所:渋谷区神宮前1-10-10
料金:一般 700円、大高生 500円、中学生以下 無料
電話:03-5777-8600(ハローダイヤル)
URL:http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/exhibition/2016-hokusai-manga