ジャズや舞台の現場でも活動し、絵画を中心に多彩な創作を行う画家・青山健一さんの連載。風景写真をもとにした作品シリーズから、“東京の路上”を描いた新作を毎月紹介していきます!

「コンクリート日和」22×27.3cm キャンバス、アクリル絵の具
その日は雲ひとつない晴天だった。
上野駅から入谷に向かう道すがらの線路沿いに、大きなコンクリートの壁があった。
壁の佇まいに少し惹かれたが、防音壁という珍しくない存在であることを理由に素通りしようと思った。
辺りには歩道橋や建物がゴチャゴチャとあるし、ムリヤリの街路樹も、風景としてのヌケの悪さを助長している。
しかし、ナニかありそうな予感が気持ち悪い。
うーん、あの歩道橋の上からの目線はどうだろう?
歩道橋を上がりファインダーを覗くと、コンクリートの塊と青空は画になっていた。

歩道橋からのぞいた大きな防音壁
ゴッホが「美しい景色を探してはいけない。景色の中に美しさを見つけるのだ」なんて言っていたらしいが、その通り。
INFORMATION
会期:6月28日(金) – 7月15日(月・祝)
時間:12時–20時 7月1、2、8、9日は休廊
会場:ギャラリーHANA下北沢
住所:世田谷区北沢3-26-2
*ライブパフォーマンス「男の抽象、女の具象」
青山健一(video/drawing) 池間由布子(vocal/guitar)
7月15日(月・祝) 19時スタート/2000円(要予約)
予約:mail/ galleryhana2006(@)gmail.com tel/ 03-6380-5687