logo_s

〈東京、視線の片隅で〉第6回「ポルノ映画館のWi-Fi」

  • twitter
  • facebook
  • instagram
  • contact
COLUMN
TOwebだけで読める、連載陣によるオリジナルコラム。

鑑賞池

April 2018

S M T W T F S
123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031
2017.12 2018.2
2018年1月8日
〈東京、視線の片隅で〉第6回「ポルノ映画館のWi-Fi」
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
文・写真_鑑賞池

特に用事はなくても年末は上野に出ることにしている。子供の頃からの習慣であり、どうも冬の晴れた日にアメ横に来ないと年が越せない気がする。アメ横で買い物をしたあと、ふと弁天堂に行きたくなり不忍池へ向かった。水辺が好きなのである。途中、オークラ劇場に目が止まった。ここはロマンポルノの上映などもあるため、たまに来ることもあったが、小向美奈子主演の「花と蛇3」を観に来て以来、足が遠のいていた。

もはや数少なくなったポルノ映画専門映画館。

舞台挨拶のラインナップも魅力的である。

店頭に大きく「Wi-Fi無料で使えます!」と書いてある。確かに近年海外からの旅行者は増加しているため、どのような施設においてもWi-Fiなどの通信インフラの向上は必須事項の一つであると考えられる。とはいえ、映画館は映画を観に来るところであって、いくら欲望に直結した映画を主に上映しているとはいえ、視聴中にインターネットをする人などまずいないだろう。なぜ映画館にWi-Fiが導入されているのだろうか。

名もない古いポルノ映画館や名画座に入ったことがある人なら知っていると思うのだが、それらは少し年長の同性愛者の社交場という側面も持っている。

最近の早稲田松竹や新文芸坐などは違うが、かつて六区あった浅草中映劇場などでは映画館の中を出会いを求める男性がウロウロしていたものである。スクリーンに影を落としながら人々がさまよう情景は、水族館の薄暗い水槽に泳ぐサメを想起させ、映像が偶発的な影によって分断される様子は松本俊夫の作品のような雰囲気すらあった。

そんなことを思い出して、これはもしかして同性愛者用の出会い系アプリなどでパートナーを探すためにWi-Fiを導入しているのではないだろうか、などと考えてみたものの、どうもしっくりこない。良さそうな答えを探すため、まずは性愛の形を離れることにして、あらためて現在の東京のWi-Fi状況について考えてみることにした。

次のページ|街中のWi-Fiを探してみる

1 2 3 4

RANKING

  • no.1
    丸の内KITTE内のブックカフェ「マルノウチリーディングスタイル」で新...
  • no.2
    大学堂ラストラン!東京下町の移動アイスクリーム&ホットドック屋が41年...
  • no.3
    吉原で知る日本の性風俗史 “お歯黒どぶ”の縁でカストリ書房が伝えたい...
  • no.4
    天才司会者・もんちゃんの妙技。蒲田のパブ「オアシス」が日本一の理由
  • no.5
    猫社員は今日も働く 新宿三丁目「カフェ アルル」が猫を雇う理由(新宿区...
PAGE TOP