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〈東京、視線の片隅で〉第4回「聖徳記念絵画館前のアスファルト」

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COLUMN
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鑑賞池

September 2018

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2017年10月3日
〈東京、視線の片隅で〉第4回「聖徳記念絵画館前のアスファルト」
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文・写真_鑑賞池

百日紅の花も残り僅かとなり、夏も終わってしまった。

今年の夏はあまり暑くなかった。と言っても、過ごしやすかったというわけでもなく、ただ天気が悪く、外出する気だけが失せた夏であった。

私は夏休みに海などに連れて行ってもらったことがほとんどない。夏の景色を知らないところで育ったからだろうか、夏のことを考えたとき、まず頭に浮かぶのは陽炎が立つアスファルトの風景である。

すぐそこにある、東京のアスファルト。

アスファルトの記憶

アスファルトを眺めていると、なんでこんなものを敷き詰めたのだろう、とあらためて思う。もちろん自動車などを使った人や物の行き来にアスファルトがもたらした利益は計り知れないが、今思えば、熱は溜め込んでしまうし、どうしても前時代的な技術のような気がしてしまうのである。

さて、アスファルトの風景はなんとなく夏とリンクしても、それではどこのアスファルトを含めた情景が夏の記憶そのものなのか、と問われると、答えるのは難しい。青空のジグソーパズルを組み合わせるのが困難なように、アスファルトのようなのっぺりとしたものはパーツに分けて覚えていられるものではない。

とはいえ、アスファルト自体が特徴的なものなら覚えている。例えば神宮外苑にある聖徳記念絵画館前の広場のそれである。

聖徳記念絵画館。

聖徳記念絵画館という建物自体が実はよく知られていないかもしれない。明治天皇の偉業を当代随一の画家が描いたものが飾ってあるという日本最初期の美術館建築である。何食わぬ顔をして立っているのだが、少々プロパガンダに満ちた建造物でもあるので、あまりデートにおすすめできるものではない。

まあ、厳密に言えばピラミッドだってヴェルサイユ宮殿だってプロパガンダに満ちた建造物であり、そういうものを見るときに自分の思想と照らし合わせてしまうと、世界はつまらなくなってしまうのではないかとも思う。ときには目の前のことをフラットに捉えることも大事な気もする。

と偉そうなことを書いているが、実を言うと私は中の絵画にはほとんど興味持っておらず、ただその前の広場に敷き詰められたアスファルトが好きなだけなのである。イデオロギーを超える云々ではなく、私は絵画館の目の前に広がる文字通りの「石くれ」につまづいていたのだった。つくづく好奇心とは思想以前のものである。

久しぶりに広場が見たくなったので行ってみることにした。

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