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〈東京、視線の片隅で〉第3回「タバコ屋の兼業」

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COLUMN
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鑑賞池

September 2019

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2017年8月19日
〈東京、視線の片隅で〉第3回「タバコ屋の兼業」
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文・写真_鑑賞池
両国ライオン堂でも発見

そのほか、個人的に記憶に残るタバコ屋兼業の店としては、相撲取り御用達の洋服屋として知られる両国のライオン堂がある。

お相撲さん御用達の店、ライオン堂。ここにもタバココーナーがあった。

この店は洋服の取り扱いが先だそうだ。両国という立地から相撲部屋が近隣に多く、力士の下着などの取り扱いからはじめて、いつのころからかキングサイズの専門店となったそうである。タバコについて尋ねると「角地」だから、タバコを売らないかという勧誘があったとのことであった。

最新形態と思しき表参道

現在アップデートされた形のタバコ屋の兼業というと、表参道駅のほど近くにスタンドバーを兼ねたTOBACCO STANDという店がある。ここはCOMMUNE246という施設の入り口にあるのだが、もともとタバコ屋があったわけではないらしい。ちょうどタバコ屋が作れる条件が整っていたそうで、インフォメーションがてらはじめてみたそうである。現在3年目とのことだが、一癖ありそうな人々や外国人達でいつも店は賑わっている。

神宮前のTOBACCO STAND。街に溶け込む洒落たサイン。

この日はNorma ArataniのZINEのリリースパーティがあり、たくさんの人で賑わっていた。

タバコで知る 都市の輪郭

タバコ屋も今でこそ減ったが、かつてはそこかしこにあった。私も子供の時分には父のタバコを買いにほとんど毎日行ったものである。釣り銭を小遣いにくれるわけでもなかったのだが、用事を頼まれることが嬉しかったのを覚えている。そんなタバコも今では疎ましがられる対象であり、それに呼応するように街からはタバコ屋が消えていった。人はわがままなもので、今度はノスタルジーとして街に佇むタバコ屋の景色に魅力を感じる人が増えていった。三丁目の夕日的な景色として。

文中にはないが、下北沢でみかけたタバコ屋を兼ねた自転車屋。

兼業のタバコ屋は純粋なタバコ屋よりもごちゃごちゃしてしまう分、被写体などには悪かろう。また、必ずしもノスタルジックではない。しかし、だからこそ街の背景が見える。そして、人の営みが見える。あらためて店先でタバコを売っていた人達に聞いてまわってみただけでも、タバコ屋の兼業の理由は様々で、画一的な答えを聞かなかった。その答えの多様さに、幾重にも重なって成立している都市の輪郭が透けて見えた気がする。そしてそれは現在進行形で続いているのである。

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