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〈東京、視線の片隅で〉第3回「タバコ屋の兼業」

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COLUMN
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鑑賞池

August 2019

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2017年8月19日
〈東京、視線の片隅で〉第3回「タバコ屋の兼業」
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文・写真_鑑賞池
経堂で聞いた戦争とタバコ

ふと降り立った経堂でもタバコ屋を探してみた。すずらん通りという通りを見つけたので入ってみる。2〜3分歩くとおもちゃ屋とタバコ屋を兼ねた店を見つけた。店に入るとおもちゃと駄菓子を取り扱う店のようだ。

経堂の駅からすずらん通りに向かう。角には下駄屋を兼ねた傘屋が。昔の下駄屋は結構傘屋を兼ねていて、私もよく傘を直してもらった思い出がある。

すずらん通りでみつけたおもちゃ屋(駄菓子屋)を兼ねたタバコ屋。

ここでも店主に話を聞いてみた。大正12年にタバコ屋から始めたそうである。おもちゃ屋は副業とのことであったが、店主曰く、昔はタバコ屋は儲からないが国に税収があるため副業込みでタバコ販売が奨励された時期があった、とのことであった。思いのほか話好きだった店主は、他にも昔近所に牧場があった話、この商店街に牧場直営の精肉店があった話などをしてくれた。

面白い話をたくさん聞いたあと,駅の反対口にまわると文房具屋でタバコを売っているのをみかけたので入ってみた。ここは文房具屋が先だそうである。

タバコ屋を兼ねた文房具屋。iQOSも売っていた。

さっきの店主が「タバコ屋は儲からない」と言っていたのを思い出したので、なぜ副業にタバコを選んだのか聞きたくなった。その理由はわからないとのことであったが、興味深いことを教えてくれた。タバコを売ると一人ならば食べていけるぐらいの収入はあったそうで、昔は戦争未亡人に優先してタバコ屋の開業を奨めていたそうである。どうりで昔のタバコ屋にはお婆ちゃんが多かったわけである。タバコ屋とお婆ちゃんのミッシングリンクが思わぬところで繋がった。

肉屋×タバコの九品仏

調べていて気になった店が九品仏にあった。タバコを売る肉屋である。結構珍しい気がしたので、暇をみつけて行ってみることにした。九品仏自体はじめて降りたが、浄真寺を中心とした落ち着いたいい街である。

読みは「くほんぶつ」。インテリアショップD&Departmentがあることでも知られる。

折角なので浄真寺を訪ねる。本堂に置かれた9体の阿弥陀如来像が地名の由来だとか。

ナイスポーズなおじさん。

寺と反対方向に歩いて行くとまもなく肉屋とその片隅にあるタバコ販売窓口をみつけた。タバコを売っていたお母さんに尋ねたところ、ここは昭和4年にタバコ屋を先に始めたらしい。当初はお茶などを一緒に取り扱っていたそうだ。そこに現店主が肉屋で修行をして帰ってきて、現在では肉屋が主な仕事になったとのことである。

肉屋を兼ねたタバコ屋。なんとなく珍しい気がする。

コロッケもおいしい。

ここのお母さんは以前はある程度儲けが出ていたと言っていたが、自動販売機の売り上げは大きかったのだろう。TASPOの導入、それに合わせて近隣のコンビニでタバコ販売がされるようになり、状況が大きく変わってしまったとのことであった。

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